加古川製鉄所を初めて訪れる人は、そのスケールにまず圧倒されることでしょう。570万平方メートルの敷地には、高炉・転炉をはじめ、厚板、熱延、冷延、線材などの設備が配置され、ここで製品が一貫生産されています。近年は、長大橋用の高強度線材、自動車のエンジンに使用される弁ばね、自動車の車体に使用される高張力鋼板など、高い付加価値を備えた鋼材の生産を強化。神戸製鋼ならではの技術力と品質を備えた、多種多様な製品を送り出しています。
一方で、「緑の製鉄所」づくりを大きなテーマとして、クスノキやユーカリなどの樹木を豊富に植樹。緑が多く、環境に配慮した事業所づくりに努めています。
【動画】加古川製鉄所のご紹介
【動画】加古川製鉄所~神鋼唯一の高炉を保有~
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高炉 |
事前処理した鉄鉱石と原料炭を高炉に投入。1200度の熱風を吹き込むことで、鉱石を還元溶解して銑鉄をつくります。世界トップレベルの技術を誇る微粉炭吹き込み技術により、省エネルギー化、生産の安定化を図り、優れた性質を持つ鉄の生産を実現しています。
原料ヤード
コークス炉
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転炉 |
高炉で生産された溶銑は、転炉で精錬して不純物を取り除きます。上部から純酸素を、底からアルゴンなどの不活性ガスを吹き付け、短時間で炭素量と温度を調整。さらに合金元素を添加して、強靭な鉄を生産します。
転炉
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厚板工場 |
造船、橋梁、産業機械、プラント類に使われる厚板を製造するラインです。連鋳工場で生産されたスラブを4重広幅圧延機で圧延。コンピュータで制御された粗圧延機と仕上圧延機の2基が稼働し、最大月産14万トンの高品質厚板が誕生します。
四重広幅厚板圧延機
加速冷却直接焼入装置
熱処理レベラ
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線材 |
分塊工場から送られてきたビレット(半製品)を加熱して圧延機にかけ、直径5.5~16.0ミリメートルの線材を作ります。その加工スピードは、なんと最高85メートル/秒(=300キロメートル/時)。スピーディーで精度の高い加工技術により、自動車用懸架ばね、スチールタイヤコード、ピアノ線材など、高付加価値の線材を生産しています。
線材
第8線材工場
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薄板 |
熱延工場および冷延工場では、自動車やパイプ素材、家電品などに使用される高強度でしなやかな薄板を生産。高張力鋼板(ハイテン)も、ここから生まれます。また、航空宇宙関連や原子力発電所、化学工業などの分野で需要の高いチタンコイルの生産ラインが整っています。
電気亜鉛めっきライン
溶融亜鉛めっき設備
熱延コイル
連続焼鈍設備
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微粉炭焚高効率自家発電設備 |
製鉄所内で使用する電力や燃料などを効果的に運用するため、自家発電設備を設置。さらに、廃熱回収や製造効率の向上などを進め、省エネルギー活動や環境配慮に取り組んでいます。
自家発電設備
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製鉄所全域の設備機械が、その性能を十分に発揮できるよう、つねに万全のコンディションを維持。機械設備に関するプロフェッショナル集団として、設備の点検・診断はもちろん、積極的な改善活動に取り組み、高性能・高品質の製品づくりを強力にバックアップしています。
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発変電設備・電動機ドライブ装置、さらにはコンピュータシステム等で高度に制御された電気計装設備の機能を維持しつつ、なお一層の性能向上を図っています。常にチャレンジ精神を持って最新技術を応用し、あらゆる分野での製品やサービスの創出に寄与しています。