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受賞履歴

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(一社)日本鉄鋼協会主催の2023年度一般表彰における受賞について

2024年3月14日

株式会社神戸製鋼所

当社は、(一社)日本鉄鋼協会主催の2023年度一般表彰において、下記3名が受賞致しましたのでお知らせ致します。

受賞名 受賞者
渡辺義介記念賞 執行役員 三宅 義浩
白石記念賞 技術開発本部 材料研究所 専門部長 串田 仁
西山記念賞 鉄鋼アルミ事業部門 加古川製鉄所 製鋼部 製鋼技術管理室 室長 太田 裕己

賞の概要

日本鉄鋼協会では、鉄鋼に関する学術・技術の振興および研究者の育成を目的として、顕著な業績を挙げた会員等を表彰しています。今回受賞した各賞の概要は下記の通りです。

渡辺義介記念賞 わが国鉄鋼業の進歩発展に多大の功績のあった会員に贈られます。
白石記念賞 鉄鋼業の周辺及び境界領域における学術上、技術上の業績により鉄鋼業の進歩発達に多大な貢献をした者に贈られます。
西山記念賞 わが国鉄鋼業の進歩発達に卓越した功績のあった会員に贈られます。

受賞内容

1.「渡辺義介記念賞」執行役員 三宅 義浩

題目: 自動車用高強度薄鋼板の生産技術確立への貢献
長年にわたって自動車用高強度溶融亜鉛めっき鋼板の新製品開発、生産技術の高度化に携わり、先見性を備えた優れた技術力を発揮し、薄板製造における最先端技術の発展とともに、製品を利用する自動車の安全性強化と軽量化・燃費改善に多大な功績を挙げました。主な業績は以下の通りです。

  • (1)溶融めっき自動車用高強度鋼板の生産技術確立
    超高強度鋼板の開発において、同鋼板の熱延原板の生産技術、冷間圧延における高精度圧延技術、溶融めっき設備における高度なヒートサイクル制御技術、溶融亜鉛めっき表面制御技術を確立し、極めて高い加工性を有する590~1180MPa級溶融めっき高強度鋼板、1500MPa以上の冷延超高強度鋼板の商品化に大きく貢献しました。
  • (2)自動車用高生産性ホットスタンプ鋼板の生産技術確立
    1500MPa級ホットスタンプ鋼板の課題であったプレス生産性を飛躍的に向上させた同鋼板の商品化に携わり、製品設計から製造に至る一貫したプロセスの生産技術確立・発展に尽力し、(1)の冷延・溶融めっき超高強度鋼板と併せて自動車の軽量化、衝突安全性向上に貢献しました。
「渡辺義介記念賞」執行役員 三宅 義浩

2.「白石記念賞」技術開発本部 材料研究所 専門部長 串田 仁

題目:線材・棒鋼圧延の表面品質向上に関する研究開発
線材・棒鋼の熱間圧延に関する研究開発、特に圧延中に生じる表面疵の発生メカニズムの解明に取り組み、線材・棒鋼製品の高品質化に大きく貢献しました。

  • (1)疵発生原因の一つである熱間圧延中に生じる酸化スケールに対し、鋼材成分、温度、圧延条件等がスケール/鋼材界面の密着性に及ぼす影響を定量評価できる実験手法を開発しました。
  • (2)圧延中に発生する表面疵を自由表面の塑性座屈現象と仮定し、数値解析結果からメタルフローの不連続点を表現する疵発生指標評価モデルを考案した。加えてこのモデルを簡易化した評価指標も開発し、変形による周方向ひずみと疵深さが良好な関係となることを検証しました。
  • (3)圧延実機サンプルの調査から、表面疵はスケールと変形、双方の要因によって発生していることを検証し、(1)、(2)の技術を活用することで疵を抑制できることを実証しました。
技術開発本部 材料研究所 専門部長 串田 仁

3.「西山記念賞」鉄鋼アルミ事業部門 加古川製鉄所 製鋼部 製鋼技術管理室 室長  太田 裕己

題目:鋼中非金属介在物の挙動制御に関する研究開発
溶鋼と非金属介在物との反応を解析する上で必要な熱力学係数を実験的・理論的に導出し、脱酸直後から凝固段階に至るまでの非金属介在物の挙動について研究しました。得られた知見により、生成時から冷却・凝固段階に至るまでの介在物の組成、サイズ、個数の変化挙動を正しく予見することが可能となり、介在物除去や小径化要望に対して製造プロセスの最適化に大いに貢献しました。

  • (1)鋼材に含まれるAl, Si, Mn, Ca, Mg, O, S, Nといった主要元素の熱力学係数を導出し、酸化物、硫化物、窒化物の各種非金属介在物の生成に及ぼす、スラグ/耐火物などの操業条件の影響を明らかにしました。
  • (2)脱酸直後の介在物のサイズ、個数分布、およびその後の溶鋼内での介在物凝集合体挙動を観察し、溶鋼中介在物の分散状態は、溶鋼/介在物間の界面エネルギーにより大きく変化することを明瞭に示しました。
  • (3)MnS、TiNなどの冷却・凝固過程で生成する晶析出介在物の分散状況は、晶析出物と脱酸生成物との格子整合性に強く影響を受けることを見出し、晶析出介在物の微細分散化に対する必要条件を提示しました。
  • (4)耐火物の影響を考慮した介在物組成変化モデルを考案し、鋼中介在物組成の変化に対して、より実操業に近い条件で速度論的な解析を可能としました。
加古川製鉄所 製鋼部製鋼技術開発室 室長 太田 裕己