2023年 年頭の辞

2023年1月5日

株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長 山口 貢

皆さん、新年あけましておめでとうございます。
新しい年のスタートにあたり、ご挨拶申し上げます。

新型コロナウイルスの世界的拡大からはや3年が経過しました。多くの国や地域でwithコロナに舵を切っていますが、いまだ収束には至っていません。公私ともにさまざまなご苦労があると思いますが、そのような中にあっても業務に尽力頂いている皆さんに深く感謝致します。

さて、今年は2021年度にスタートした中期経営計画の最終年度を迎えます。先行きの見えないロシア・ウクライナ問題、エネルギーや資源価格の高騰によるインフレの進行、気候変動対応の加速、世界的な対立・分断の先鋭化など、事業環境は不確実性と不透明感が増しています。
当社グループもそれらの影響を少なからず受けているわけですが、中期経営計画で掲げた「安定収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」という二つの重要課題に変わりはありません。
不確実性・不透明感が増していく中、想像力を働かせ、変化する事業環境に柔軟に対応していくことが求められますが、忘れてはならないのは、我々の行動の拠りどころとなるグループ企業理念であり、中長期的な取り組み課題として設定したマテリアリティです。引き続きこれらを行動の基軸や指針として新年からの仕事に臨んで欲しいと思います。

次に、新年のスタートに際して、改めて認識し、取り組んでいきたいことを申し上げます。
1点目は、ものづくりの基本である「安全行動の徹底」です。昨年3月に発生しました高砂製作所における重大災害以来、多くの災害が発生しています。皆さんには、このメッセージを聞かれた直後から、または読まれた直後から、自身の意識と行動を振り返り、安全確認を怠らず、ルールの順守を徹底願います。基本的な安全行動を、現場の最先端で働く一人ひとりにまで浸透させ、日々の業務の中で実践・定着させることは容易ではありませんが、安全活動に必要な経営資源を投入し、中期計画で掲げている「ルールを守る安全人間づくり」「相互に注意し合うことが出来る職場風土づくり」、そして人に頼らない「設備の安全化」を粘り強く着実に推進していきます。全員一丸となり、世界一安全で、安心して働ける職場を目指していきましょう。
2点目は「安定収益基盤の確立」です。冒頭で触れました通り、エネルギーや資源価格が高騰するなど、先行き不透明な状況にありますが、営業面・生産面・管理面における工夫と努力によって、環境に左右されにくい安定的な収益体質を目指していきましょう。
3点目は「カーボンニュートラルへの挑戦」です。カーボンニュートラルは既に世界の潮流となっており、多くの国や企業が地球環境対策に乗り出しています。当社グループもCO₂排出量を低減したコベナブルスチールの販売開始に代表されるように、素材系・機械系の両事業を中心に環境負荷低減に資する技術開発に取り組んでおり、徐々に新しいビジネスの芽が出始めています。素材系・機械系・電力、いずれの事業においても、当社グループが環境負荷対応をリードする存在になれるよう、あらゆる施策に取り組んでいきましょう。

最後に皆さんへの期待です。当社グループは「DX戦略」「ダイバーシティ&インクルージョン」「Next100プロジェクト」「KOBELCO TQM」「QCサークル活動」などさまざまな施策を実行していますが、これらは全て当社グループにおける最大の経営資産である「人」を育て、「人」を活かすことにつながる施策です。皆さん一人ひとりの知恵と経験値はとても大きいものですが、これが二人三人とつながることによって無限の可能性が広がります。コロナ禍で人と人のつながりが希薄になっている今日ですが、一人では成し得ないことを、人と協力して成せるように、積極的にお互いの意見や気持ちを伝え合って下さい。安全・安心で豊かな暮らしの中で、皆さんが夢や希望を叶えられる世界の実現に向けて、共に一歩一歩進んでいきましょう。そして、今年の干支「うさぎ」のように跳ね上がる飛躍の年にしていきましょう。

当社グループの従業員と家族の皆さんが、大きくそして確実に飛躍できる1年になることを祈念しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。ご安全に。

(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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