「第64回 田宮賞」の表彰について

2023年6月1日

株式会社神戸製鋼所

当社は、「第64回 田宮賞」の受賞案件を下記の通り選定し、5月31日(水)に神戸本社で授賞式を執り行いました。

「田宮賞」は、当社の第5代社長 田宮嘉右衛門(※1)の遺徳と事蹟を永く記念するため、当社およびグループ各社などの中から会社の業績や社会に大きく貢献した技術・製品について、1960年以来表彰してきており、今年で64回目を迎えました。

※1 田宮嘉右衛門(明治8年生~昭和34年没)について
神戸製鋼の生みの親にあたる合名会社鈴木商店に入社し、同社が1905年に小林製鋼所を買収し「神戸製鋼所」に改めた際に、支配人に就任した。その後、1911年に(株)神戸製鋼所が発足した時、常務取締役に就任し、1934年から1945年まで第五代目の社長を務めた当社育ての親である。

1.金賞:
(株)神戸製鋼所 電力事業部門
 テーマ:
日本初の内陸立地「真岡発電所」建設と戦力化
(株)神戸製鋼所 電力事業部門では、東日本大震災後の関東地域における電力の安定供給を目指し、日本初の「内陸立地大型ガス火力発電所」の建設に取り組んだ。隣接する住宅エリアへの環境配慮と内陸での大規模発電所建設という高いハードルを創意工夫で乗り越え、東日本大震災後に計画された大型電源の中では最も早く営業運転を果たした(※2)。営業運転以降の操業も順調で、当社の安定収益基盤として今後も大きな貢献が見込まれる。また同発電所は日本の国土やエネルギー基盤の強靭化にも資する発電所として、内閣官房や経済産業省から評価され、当社の社会的評価の向上にも大きく貢献した。

真岡発電所外観(写真)

真岡発電所外観(写真)

手前の白い建物はPR館「みらいん」

※2 運転開始:1号機 2019年10月、2号機 2020年3月

2.銀賞:
(株)神戸製鋼所 Quintus Technologies AB
 テーマ:
Quintus社 受注倍増の実現
(株)神戸製鋼所 機械事業部門は2017年にスウェーデンの高圧装置トップメーカーであるQuintus Technologies AB (以下、Quintus社)を買収後、両者の長所を活かした経営を取り入れたことでQuintus社は右肩上がりの成長を続けている。中国での現地法人の設立や、製品・設計の標準モジュール化、長期サービスパック“Quintus Care”(※3)の拡販およびマーケティング強化が奏功し、Quintus社の2021年度の受注高は買収時の2倍に成長。今後もKOBELCOブランドを活かした日本市場の開拓に加え、半導体分野、食品事業、全固体電池(※4)への参入など積極的な事業拡大に取り組んでいく。

全固体電池向け高温高圧WIP装置(※5)

全固体電池向け高温高圧WIP装置

全固体電池模式図と製品サンプル

全固体電池模式図と製品サンプル

  • ※3 本体装置を購入したお客様へ提供する長期的かつ継続的な優先サービスプログラム。既存のお客様のリピート率の向上 、サービス受注量の確保、安定的な売上に貢献している。

    ※4 電解質を全固体化することで、電池の高容量化、安全性向上、高出力化が期待される。

    ※5 WIP:Warm Isostatic Pressingの略。材料加工の一種で最高200℃の高温と最高1GPaの等方圧を被処理体に同時に加えて処理するプロセス。

3.銅賞:
シンフォニアテクノロジー(株)
 テーマ:
真空溶解装置の開発と拡販
シンフォニアテクノロジー(株)では、チタンなどの活性金属や高純度金属の溶解を目的とした超高真空コールドクルーシブル溶解装置(CCIM)(※6)を開発し、商品化した。近年需要が高まっている希土類磁石・水素吸蔵合金・半導体・生体金属などの溶解、精製を可能とし、今後3D分野においてもチタンなど微粉末金属の需要拡大にも期待できる技術である。また、同技術は高純度金属の最先端研究でも使用され、製品評価技術基盤機構の「標準物質総合情報システム」と、独連邦材料試験研究所が主宰する「国際標準物質データベース」において世界で最も純度の高い鉄として認定された。今後の実用化進展で更なる事業拡大が期待できる。
  • ※6 CCIM : Cold Crucible Induction Meltingの略。水冷された銅製ルツボ内で金属を誘導加熱により溶解する手法。従来のセラミックス系のルツボと比較し金属中への不純物の混入が少なく、高融点金属の融解が可能である。

真空コールドクルーシブル溶解装置

真空コールドクルーシブル溶解装置

溶解中のチタン合金

溶解中のチタン合金

こうした表彰案件は、当社がグループ企業理念に掲げる「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現に貢献していくものと考えております。KOBELCOグループは、今後もグループ企業理念に基づくサステナビリティ経営を推進してまいります。

第64回田宮賞授賞式 金賞

第64回田宮賞授賞式 金賞

山口社長 祝辞

山口社長 祝辞

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