低CO₂高炉鋼材『Kobenable Steel』 特殊鋼線材での国内初採用について

2023年7月4日

株式会社神戸製鋼所

当社の低CO2高炉鋼材『Kobenable Steel』は、2022年の商品化以来、自動車用鋼板・建築用鋼板・船舶用鋼板などで採用されてきましたが、この度、自動車用特殊鋼線材に初めて採用されました。

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)の競技車両「GR86(カーボンニュートラル燃料車)」に使用される株式会社青山製作所製のエンジン部品締結ボルトに、マスバランス方式※1により鋼材製造工程におけるCO2排出量を100%削減した『Kobenable Premier』※2が採用されたものです。

また、本ボルトは、非調質ボルト用鋼を使用することで「焼鈍(軟化熱処理)」※3と「調質(焼入れ焼戻し熱処理)」※4というボルト製造工程における熱処理を省略しており、鋼材の製造工程とボルトの製造工程の両面においてCO2排出量を低減した製法で製造されています。

今回『Kobenable Steel』製エンジン部品締結用ボルトが採用された「GR86」は、今年7月8日~9日に行われる「ENEOSスーパー耐久シリーズ2023」(以下、スーパー耐久シリーズ)の第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」に出走予定です。

トヨタ自動車は、水素エンジンを搭載した「水素エンジンカローラ」とカーボンニュートラル燃料を使用する「GR86」をスーパー耐久レースに投入していますが、これらの競技車両はモータースポーツの厳しい環境に対応することが必要であり、素材においても高い品質が求められます。『Kobenable Steel』は、CO2削減効果だけでなく、そのような高い要求品質にも対応可能な商品です。なお、「水素エンジンカローラ」においても、『Kobenable Steel』を採用頂いています※5

KOBELCOグループは多様な事業・技術・人材の総合力を通じて、社会課題の解決に挑み、ステークホルダーの皆さまにとって「かけがえのない存在」であり続けることを目指します。

  • ※1:製品の製造工程において、ある特性(例:低CO2品)を持った原料とそうでない原料とが混在する場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性を割り当てる手法。

  • ※2:『Kobenable Steel』には、トン当たりのCO2排出量の削減率が100%の『Kobenable Premier』と同50%の『Kobenable Half』の2種類がある。

  • ※3:伸線前の軟化熱処理(加工性を確保するための熱処理)

  • ※4:冷間鍛造後の焼入れ焼戻し熱処理(強度、靭性等を確保するための熱処理)

    冷間鍛造後の焼入れ焼戻し熱処理(強度、靭性等を確保するための熱処理)

  • ※5:低CO2高炉鋼材(Kobenable Steel)の国内初の実用化について(2022年6月3日リリース)

<写真>2022年5月NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース走行車

<写真>2022年5月NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース走行車

(写真提供:トヨタ自動車(株))

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