資源循環の促進(廃棄物の削減)、原材料の削減

基本的な考え方

当社グループは、限りある資源を有効に活用するために、生産工程・オフィスにおいて廃棄物の発生抑制に取り組むとともに、生産工程から発生する副産物等の付加価値の向上や新規利用用途の開発により、積極的にリサイクルを推進しています。また、出荷する製品の梱包仕様の見直しによる再利用や、オフィス系業務での会議資料の電子化・IT化等をグループ全体で積極的に進めることにより、紙資源使用量の低減に努めます。

加えて、主要な副産物に関しては、再資源化率の目標を設定し、最終処分量の削減を図り、再資源化率の向上を目指します。

マネジメント体制

目標

当社では、歩留向上や副原料の使用量の削減を積極的に進めています。主な副産物であるスラグ、ダスト、スラッジの再資源化率を2025年度99%とする目標を設定しています。

実績

2021年度の実績は99.3%となりました。今後も目標の達成に向けて、副産物の再資源化率の向上、最終処分量の削減に取り組んでいきます。

当社グループ※1では、2021年度に総計405万tの副産物が発生し、再資源化率は96%となりました。引き続き、副産物発生量の抑制、再資源化や新規リサイクル技術の開発及び高付加価値化を通じて、最終埋立処分量の削減を進めていきます。

再資源化率推移((株)神戸製鋼所)

副産物発生量

  • ※1 集計範囲は当社グループ(国内)の副産物発生量の99%以上を占めます。

    ※2 再資源化率=再資源化量/副産物発生量

過去3年間の副産物発生量、再資源化量、最終処分量等(国内グループ会社含む)※1

  2019年度 2020年度 2021年度
副産物発生量/t 4,118,779 3,188,926 4,051,021
再資源化量/t 3,912,532 3,021,888 3,901,504
最終処分量/t 180,808 135,923 119,932
その他(減容化)/t 25,439 31,115 29,585
副産物再資源化率※2 95% 95% 96%
特別管理型産廃量(比率)※3 21,986(0.53%) 23,949(0.75%) 21,136(0.52%)
  • ※1 当社グループ(国内)の副産物発生量の99%以上を占める範囲を集計しています

    ※2 副産物(全体)再資源化率=再資源化量/副産物発生量

    ※3 比率=特別管理型産業廃棄物発生量/副産物発生量

過去3年間に廃棄した特管産廃の輸送量*(国内グループ会社含む)

  2019年度 2020年度 2021年度
特別管理型産業廃棄物輸送量/t 19,356 15,656 16,935
  • ※ 特管産廃の処理委託量

(株)神戸製鋼所 過去3年間の主要原材料使用量

主要原材料 単位 2019年度 2020年度 2021年度
鉄鉱石 万t 1,038 931 1,047
原料炭・コークス 万t 536 492 534
アルミ地金、銅地金等 万t 43 43 49
合計 万t 1,617 1,466 1,630

KOBELCOグループの取組み

発生抑制と再資源化の推進

副産物のうち特に生成量の多い鉄鋼スラグについては、建設資材等に99%以上再資源化されており循環型社会の構築に貢献しています。また、鉄鋼スラグ製品の多くは、環境保全に資する材料として、公共工事向けグリーン購入法の特定調達品目に指定されています。今後は、カーボンニュートラルや生物多様性に貢献する鉄鋼スラグ製品の用途拡大を進めていきます。

用途 詳細
セメント原料 高炉水砕スラグを微粉砕した高炉スラグ微粉末をセメント原料として普通セメントに混合して利用します。セメントの中間製品であるクリンカの焼成工程が不要となるためセメント製造過程で発生するCO2排出量を削減できます。
道路用路盤材 鉄鋼スラグ、アッシュストーン等を破砕・整粒して製造された材料で、水硬性があり大きな支持力が期待できます。天然資源の代替材として活用することにより、自然環境の保全に寄与できます。
地盤改良材 セメント系固化材を鉄鋼スラグに置き換えることで、安価で粘り強い地盤を構築することができ、国土強靭化に貢献するとともに、材料製造時のCO2削減にもつながります。
鉄鋼スラグ人工石材 鉄鋼スラグ人工石材は鉄鋼スラグをセメント固化させた人工石材です。鉄鋼スラグは、その中に含まれる鉄分等の栄養分が海藻を繁茂させることにより、水産資源の回復やCO2の吸収・固定化に貢献できると期待されています。神戸市発注の潜堤築造工事ですでに採用されています。

各事業部門(国内)の主な取組み

事業部門 副産物・廃棄物発生抑制・埋立処分量削減のための取組み事例
鉄鋼アルミ
  • 鉄鋼スラグの発生量削減、新規用途の開発
  • ダスト類のリサイクル技術の開発
  • アーク炉灰のリサイクル
  • 工場内で発生するアルミ屑の再利用
溶接
  • 分別による廃フラックスの路盤材やセメント原料へのリサイクル
  • 製品包装材料の再利用
素形材
  • 鉄鋼スラグの発生量削減、新規用途の開発
  • 工場内で発生するアルミ屑の再利用
機械
  • 梱包材の強度を高めることによる通い箱化
電力
  • 石炭灰や排煙脱硫装置での副生品である石こうのリサイクル
  • 下水汚泥燃料の活用に向けた設備検討中

海外グループ会社における取組み

会社名 廃棄物発生抑制・埋立処分量削減のための取組み事例
神鋼新确弾簧鋼線(佛山)有限公司(KSW) 潤滑剤や砂の再利用
神鋼汽車鋁材(天津)有限公司 製品パレットの再利用、梱包用PTバンド再利用
Kobelco Aluminum Products and Extrusions, Inc.(KPEX) 廃油のリサイクル
神鋼汽車鋁部件(蘇州)有限公司(KAAP-C) 切削くずの再利用、汚泥処理装置追設による減量化
杭州神鋼建設機械有限公司(HKCM) 塗料汚泥の圧縮による廃棄物量の削減
神鋼建機(中国)有限公司(KCMC) 汚泥の圧縮・乾燥による減量化
Kobe Aluminum Automotive Products, LLC(KAAP) アルミスクラップの再利用

外部と協働で実施している発生抑制とリサイクルへの取組み

取組み 詳細
地域の未利用エネルギーの有効活用に向けた取組み
~下水汚泥燃料化から水素製造供給まで~
  • 下水汚泥処理技術を有する(株)神鋼環境ソリューションと、石炭火力発電事業を手掛ける(株)コベルコパワー神戸(神戸発電所)だからこそできる取組みとして、下水汚泥の燃料化と神戸発電所での下水汚泥バイオマス燃料の活用を計画しています。(下水汚泥バイオマス燃料の活用は、微粉炭焚きの石炭火力発電事業に適した取組み)
  • 下水汚泥バイオマス燃料を燃料の一部として取り入れ、発電した電力で水素を製造し、燃料電池自動車(FCV)に供給することを計画しており、将来のFCV普及や地域社会におけるCO2排出削減、大気環境改善に貢献していきます。
  • 詳細は以下をご確認ください

     
 
鉄鋼スラグの利用拡大研究会
  • 兵庫県が設置した研究会(ひょうごエコタウン推進会議)において産官学の協力/連携のもとに、鉄鋼スラグの利用拡大に向けた研究を進めています。当社グループは以下の研究ワーキンググループの構成メンバーとして参画しています。
  • 減災工法ワーキンググループでは、耐震性能が低下した古い道路盛土に対して、低コストで効率的に実施可能な補強工法の実用化を目指しています。鉄鋼スラグ混合土を使用した耐震補強実験を行い、利用に向けて取り組んでいます。
  • 詳細は以下をご確認ください

     
 

プラスチック使用製品産業廃棄物の排出抑制・再資源化等への取組み

当社グループでは、プラスチック使用製品産業廃棄物の排出抑制のほか、再資源化・熱回収を実施する処理業者への処理委託を実施しています。今後も、排出抑制・再資源化等の取組みを推進していきます。

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