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2005年

*トピックスの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
中国鉄鋼メーカーと直接還元製鉄事業を推進
石炭ベース直接還元製鉄の合弁会社設立について、石家荘鋼鐵と検討を開始
2005年5月20日
株式会社神戸製鋼所


神戸製鋼は、中国河北省の国営製鉄メーカーである石家荘鋼鐵と、石炭ベース直接還元製鉄の合弁会社設立を目指す意向書に昨日調印しました。 今後速やかに、合弁事業の開始に向けて詳細な事業化調査に着手します。合弁会社には三井物産(株)、双日(株)も参加する予定です。

合弁会社では、神戸製鋼が開発した直接還元製鉄技術であるFASTMELT(ファストメルト)法を採用します。これは、石炭(一般炭)を還元剤及び溶解のエネルギー源として使用し、高炉と同等品質の銑鉄(溶銑)を製造する技術です。 製品の大半は石家荘鋼鐵に供給され、これにより石家荘鋼鐵の老朽化したミニ高炉を代替する計画です。 FASTMELT法はコークス、焼結鉱を必要としないため、操業コストは従来のミニ高炉に比べ約3割低減します。 また、石家荘鋼鐵は製鉄所が市内に位置することから、大気汚染物質の排出が少ないFASTMELT法を採用し、環境保全を推進することも目指しています。 

2004年に約2億7250万トンの粗鋼を生産した中国では、1億トン以上の銑鉄が1000m3以下のミニ高炉で生産されているとみられます。中国政府は経済の過熱と環境汚染対策等から過剰投資抑制政策をとっており、1000m3以下のミニ高炉の新設を禁止する方針を打ち出しています。このため、今後中規模以下の製鉄所では、FASTMELT法をはじめとする、高炉とコークスを必要としない新しい製鉄方式に対するニーズが高まると予想されます。事実、中国において直接還元製鉄事業は、既に「外商投資奨励産業」に指定されており、合弁会社の許認可、税制などでの優遇措置があります。

石家荘鋼鐵、神戸製鋼、三井物産及び双日は詳細な事業化調査を開始し、今年中の合弁契約書調印、2008年春の設備稼働を目指します。神戸製鋼はこの合弁会社をモデルプラントとして、省エネと環境保全効果の高いFASTMELTプラントを積極的に拡販していきます。

合弁意向書内容:
- 当事者:石家荘鋼鐵、神戸製鋼(プラント供給、技術供与、操業サービスの提供)、三井物産(製品のマーケティング)、双日(プラント供給を支援)
- 出資比率:石家荘鋼鐵:3分の2、日本側:3分の1
- FASTMELTプラント設備銑鉄生産能力:50万トン/年 
- 製品である銑鉄は石家荘鋼鐵へ供給するが、一部については日本側出資者が引き取り、外販する。

石家荘鋼鐵概要:
名称 石家荘鋼鐵有限責任公司(Shijiazhuang Iron & Steel Company Limited)
所在地 中華人民共和国河北省石家荘市
設立 1957年
資本金 15.2億元(2003年 184百万ドル)
売上高 39.9億元(2003年 482百万ドル)
従業員数 8,300人(2002年)
主要製品 構造用棒鋼(機械、自動車向け高級棒鋼)
主要設備 製銑設備(ミニ高炉4基)、製鋼設備(転炉2基、電炉2基)、棒鋼圧延設備(4基)
粗鋼生産 約2百万トン(2004年)

【FASTMELT法について】
石炭(一般炭)を還元剤として用いる直接還元鉄製造技術。還元炉には、回転炉床炉を使用します。還元は、粉炭と粉鉱石を混合したペレットを炉床に敷き詰めて、バーナーで加熱することによって行います。還元温度は1350度で、10分程度の急速な還元が行われ、直接還元鉄が出来上がります。 還元鉄は石炭メルターで溶解され、溶銑となります。工場立地は、鉄鉱石と石炭の入手が可能な場所であれば大きな制約は受けません。

FASTMELT 解説図

【神戸製鋼の直接還元製鉄プロセスと、その用途】
MIDREX 天然ガス産出地の製鉄所で還元鉄製造
FASTMET 製鉄所のダスト処理・リサイクル
FASTMELT 高炉代替・補完として溶銑を製造
ITmk3 鉄鉱石・石炭供給地で粒鉄を製造

 
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