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プレスリリース

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製鉄所の競争力強化へ向けた設備投資について

~溶銑処理能力及び厚板熱処理能力の増強~

2011年12月8日

株式会社神戸製鋼所

当社は、製鉄所の競争力強化へ向け、加古川・神戸両製鉄所の溶銑処理能力及び加古川製鉄所の厚板熱処理能力をそれぞれ増強します。総投資額は約360億円です。これら一連の投資を通じ、鉄鋼事業部門におけるオンリーワン製品の売上高比率を、2015年度を目処に50%に引き上げていく考えです。

鋼材の代表的なオンリーワン製品である自動車用高張力鋼板(ハイテン)、スチールコード、軸受鋼などは、一般的な鋼材と比較して高い清浄度が要求されることから、溶銑処理によって硫黄やりんを低減(以下、脱硫・脱りん)する必要があります。また、厚板で今後拡販に注力していく分野の一つであるエネルギー関連向け鋼材(タンク・圧力容器、ラインパイプ向け等)の多くは、同様に脱硫・脱りん処理の必要があると同時に、圧延後の熱処理が必要となります。

今回の一連の投資により、溶銑処理能力及び厚板熱処理能力が大幅に向上し、オンリーワン製品の更なる拡販に向けた製鉄所の製造体制強化が実現します。一方、溶銑処理能力の増強に伴うコストダウンの観点では、脱硫・脱りん時の反応効率向上により石灰等の副原料使用量が大幅に削減でき、鉄歩留が改善されます。また、硫黄やりんが比較的多く含まれる低品位原料の使用量増加が可能となることも含め、両製鉄所合計で年間約100億円のコストダウン効果を見込んでいます。

各設備の詳細は、以下の通りです。

(1)加古川製鉄所 新溶銑処理工場

総投資額: 約300億円
稼動開始: 2014年6月末予定
主要設備: 脱硫設備2基、脱りん炉1基
概要: 新たに溶銑処理工場を建設し、脱硫設備及び脱りん炉を導入することで、それぞれの処理を独立して高効率に行うプロセスが確立します。これにより、溶銑の全量脱硫・脱りん処理が可能となります。

(2)神戸製鉄所 新溶銑処理設備

総投資額: 約20億円
稼動開始: 2012年10月末予定
主要設備: 脱珪脱硫設備1基
概要: 新たに脱珪脱硫設備を導入し、現在使用している溶銑処理炉は脱りん処理専用とします。これにより、加古川と同様に、それぞれの処理を独立して高効率に行うプロセスが確立します。

(3)加古川製鉄所 新厚板熱処理炉

総投資額: 約40億円
稼動開始: 2012年12月末予定
主要設備: 連続式熱処理炉1基
概要: 新たに熱処理炉1基を導入することで熱処理能力が倍増し、エネルギー関連向けをはじめとするオンリーワン製品の拡販を実現する製造体制が確立します。