国内初 低CO₂高炉鋼材“Kobenable Steel”の商品化について

~2022年度から販売開始~

2022年5月17日

株式会社神戸製鋼所

当社はこの度、高炉工程におけるCO2排出量を大幅に削減した低CO2高炉鋼材“Kobenable Steel”を国内で初めて商品化しました(当社調べ。2022年5月17日時点)。

本商品は、2021年2月16日に公表した「KOBELCOグループの製鉄工程におけるCO2低減ソリューション(※1)」に基づくものであり、エンジニアリング事業のミドレックス技術(※2)を用いて製造したHBI(※3)を加古川製鉄所の高炉に多量に装入することで、高炉からのCO2排出量を大幅に削減できる技術を活用したものです。

当社は、2022年度より二つの低CO2高炉鋼材の販売を開始いたします。このCO2削減効果については、特定の鋼材に割り当てる「マスバランス方式(※4)」を用いております。

【低CO2高炉鋼材“Kobenable Steel”の種類】
商品名 トン当たりのCO2排出量の削減率(従来比※5)
Kobenable Premier 100%
Kobenable Half 50%

本商品は、従来と同じ高炉プロセスで製造したものであり、次の二つの特長があります。

  • 全ての鋼材品種での販売が可能
  • 当社加古川製鉄所ならびに神戸線条工場にて製造する全ての鋼材品種(薄板、厚板、線材・条鋼)での販売が可能です。

  • 従来同等の品質を維持
  • 当社が強みとする特殊鋼線材、超ハイテン等の高品質が要求される高炉材をお客様に引き続き安心してご使用いただけます。

なお、商品化にあたって、CO2削減効果については、ISO20915に準拠して計算を行い、その削減効果の算出を行っております。その計算方法ならびにその結果について英国の認証サービス機関である“DNV BUSINESS ASSURANCE SERVICES UK LIMITED”(以下、DNV社)から第三者認証を取得しております。低CO2高炉鋼材の販売にあたっては、お客様にDNV社が発行する第三者認証書及び当社が発行する低CO2鋼材証明書をお渡しいたします。(※6)

当社は、低CO2高炉鋼材“Kobenable Steel”を社会に先駆けてご提供することにより、グリーン社会の実現に貢献していきます。また、KOBELCOグループは、今後も「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」を実現するために、個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづけます。

商品商標(商標出願中)

Kobenable Steel

  • ※1 「KOBELCOグループの製鉄工程におけるCO2低減ソリューション」(2021年2月16日)

    ※2 天然ガスを使った還元鉄製鉄法であり、世界の約80%(還元鉄全体では約60%)を占めるリーディングプロセス。本方式は、天然ガスを還元材として、鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用してシャフト炉によって還元鉄を製造。高炉法に比べ、製鉄工程でのCO2排出量を20~40%抑制できることなどが特長。

    ※3 Hot Briquetted Iron(熱間成形還元鉄)の略。還元鉄はそのままでは長距離輸送に適さないため、還元炉より排出された高温の還元鉄をある程度の大きさの塊(Briquette)に押し固めたもの。

    ※4 製品の製造工程において、ある特性(例:低CO2品)を持った原料とそうでない原料とが混在する場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性を割り当てる手法。再生プラスチック、バイオプラスチック、再エネ電力や、カカオやパーム油といった認証食料品など、製造工程やサプライチェーンの特徴により、製品特性の分離が困難な製品に用いられている。当社では、マスバランス方式を用いて、鉄鋼の製造工程において、鉄鉱石の一部を既に還元済みの鉄鋼原料である「HBI」に置き換える事で使用するコークスを減らし、CO2排出量を削減させ、その削減効果を環境価値として、低CO2高炉鋼材に対して割り当てている。

    ※5 18年度実績比。

    ※6 販売数量は上限がございますので、ご相談ください。

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(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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