ファストメット プロセス

ファストメット プロセスは、神戸製鋼と米国子会社のミドレックス(MIDREX)社が共同開発した回転炉床炉を使用する還元鉄製造プロセスです。鉄鉱石、製鉄ダストなどを原料として還元鉄を製造します。石炭、コークスブリーズ、製鉄ダストに含まれる炭素などが還元剤として使用できます。

ファストメット プラント (神戸製鋼 加古川製鉄所 KDP)

ファストメット プラント (神戸製鋼 加古川製鉄所 KDP)

ファストメットの適用

鉄鉱石からの還元鉄製造プラント

製鉄所の中核ないし補助的な鉄製造プラントとして

高品質の還元鉄(金属化率85-92%)を安定的に供給します。
製品還元鉄は高炉、転炉、電気炉に装入されます。

更に、製品還元鉄をEIF炉(電気製銑炉)で溶解し溶銑を製造する(ファストメルト プロセス=FASTMELT®)ことも可能です。このプロセスにより経済的な溶銑供給が可能になります。

製鉄ダストのリサイクル

ダストを利益に変えるリサイクルプラントとして

高炉ダスト、スラッジ、転炉ダスト、焼結ダスト、電気炉ダスト、ミルスケールなどの製鉄ダストを処理します。

  • 外部処理、埋め立て処理が不要!
  • ダストが還元鉄に!
    • 製銑、製鋼工程へのリサイクル
      金属化率:
      鉄:85-92%
      ニッケル:95-100%
  • 亜鉛回収!
    • 回収された高濃度の粗酸化亜鉛は亜鉛精錬原料として外販
      脱亜鉛率:95%以上
  • 炭素分の有効利用
    • ダスト中の炭素分を還元剤として利用
    • 還元鉄中の炭素分は用途に応じて調整可能です。

プロセスフロー図

フロー図

FASTMET®プロセス

鉄・ニッケル含有ダストの還元処理によるリサイクル
最新の還元鉄製造技術で、効率的ダストリサイクルを実現

FASTMET®(ファストメット)プロセスは、スクラップ代替の還元鉄製造技術を応用し、従来リサイクルが難しいため埋立て処理されていた鉄・ニッケル含有ダストを、高温・短時間で還元処理することにより経済的かつ効率的なリサイクルを可能にしました。また、排ガス中の二次ダストとして高濃度の酸化亜鉛・酸化鉛を回収することも可能で、これらは有価な原料として外販が可能なので、より経済的なリサイクルを実現します。

特長

  1. 幅広いダストの処理が可能(高炉・転炉・電炉・圧延ダスト、ステンレスダストなど)
  2. 独自の技術により、効率よく均質な還元鉄の製造が可能
  3. 高濃度の酸化亜鉛・酸化鉛を回収することが可能
  4. 高温での処理によりダスト中のダイオキシンを分解し、再合成も防止

ファストメットによるリサイクル

用途

  • 高炉一貫製鉄所からの発生ダストの脱亜鉛処理と鉄分リサイクル
  • 電気炉製鉄所からの発生ダストの無害化処理と亜鉛・鉛の回収
  • ステンレス製造メーカーからの発生ダストの無害化処理とニッケルの回収

納入実績

製鉄所 処理能力 稼動開始時期
新日鐵住金 広畑製鉄所殿 190千トン/年 2000年4月
神戸製鋼 加古川製鉄所 16千トン/年 2001年4月
新日鐵住金 広畑製鉄所殿(2号機) 190千トン/年 2005年2月
新日鐵住金 広畑製鉄所殿(3号機) 190千トン/年 2008年12月
JFE 福山製鉄所殿 190千トン/年 2009年4月
日鉄神鋼メタルリファイン殿 190千トン/年 2011年10月

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株式会社 神戸製鋼所 エンジニアリング事業部門

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