本鋼板は強度特性に優れており、降伏点または耐力をJIS規格(SN)より高めています。このため、設計基準強度を高く設定することができます。
KCLプロセスで製造した鋼板は従来法に比べて炭素当量を比較抑えることができますので、すぐれた溶接性を有しています。
鋼材の炭素当量が低くなりますので溶接熱影響部の組織が改善され、大入熱溶接を適応した場合でもすぐれた継手靭性が得られます。
降伏点が80%以下と低く管理されていますので、降伏後の塑性変化が大きく、また、B種、C種では降伏点の幅を115N/mm2以下としているため耐震性能に優れています。
C種では、S量を低減し、良好な厚さ方向特性を厚さ方向絞り値と超音波探傷試験で確認しています。
B種、C種では、暑さのマイナス側の許容差を厚さによらず一律に0.3mmと厳しく管理しています。
規格 | 板厚 範囲 t(mm) |
引張試験 | シャルピー 衝撃試験 |
|||||||
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降伏点 または 耐力 (N/mm2) |
引張強さ (N/mm2) |
降伏比 (%) |
伸び | 絞り 個々平均 (%) |
温度 (℃) |
吸収 エネルギー (J) |
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板厚 (mm) |
試験片 | (%) | ||||||||
KSAT355 | 40<t≦100 | ≧355 | 520~670 | ≦85 | 4号 12号 |
≧21 ≧21 |
− | 0 | ≧27 |
規格 | 化学成分 (%) | |||||||||||
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C | Si | Mn | P | S | N | 炭素当量 Ceq(%) ※1 |
溶接割れ感受性組成 Pcm(%)※2 |
FHAZ | ||||
(t≦50) | (t>50) | (t≦50) | (t>50) | (t≦50) | (t>50) | |||||||
KSAT355 | ≦0.20 | ≦0.55 | ≦1.60 | ≦0.030 | ≦0.015 | ≦0.006 | ≦0.40 | ≦0.42 | ≦0.26 | ≦0.27 | − |
※1 Ceq (%) =C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
※2 Pcm (%) =C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
※最大製品重量 1シーム:17トン 2シーム:34トン
※ご相談範囲