チタンは自然環境においては決して腐食しない耐食性、更に軽量性、低熱膨張性等々環境に強く、優しい最適な建材用素材です。しかしそれだけでお客様に満足していただける建材用素材と言えるでしょうか？
神戸製鋼は50年以上に渡るチタンの用途開拓の歴史の中で、世界に先駆けて建材用途の市場にチタンを出荷しつつ、お客様に満足していただける建材用チタンの特性を見極め、用途に適した研究開発・改善を進めてきました。
スーパーAP材は、チタン建材に対するお客さまのさまざまなニーズ、つまり
を実現した特別に作られた建材用チタンです。
この特性を全て備えた建材用チタン（スーパーAP材）は、連続式AP設備によって可能になりました。
特許 第3255610号 特許 第3219690号
チタン建材の変色は、表面の酸化皮膜の異常成長によって引き起こされます。 この異常成長を抑制するために必要な素材特性は表面の冶金的清浄度です。 AP仕上げによりチタン表面の汚染層を完全に除去することなどによって 変色しにくい建材用チタンに仕上がっております。 また、神戸製鋼のVA仕上げ材は、清浄度の高いVA設備を使用していますので、 従来のVA仕上げ材よりは変色しにくい特性を備えています。
特許 第3253288号 第3221302号 第3221303号 第3253288号 第3246298号
特開 平9-291326
光沢（光の反射率）によって金属板は遠くから見た時に白っぽくも黒っぽくも見えます。 この光沢はチタン建材の表面の粗度によって変化します。 神戸製鋼では連続式AP設備により結晶粒の大きさと粗度を調節しそろえる光沢度制御技術を確立しています。 また、表面を2次加工処理をすることなく低光沢（ツヤ消し）に仕上げることも可能になっております。
特許 第1774211号他
チタンは材料の特性上、ステンレスと同じようにポケットウェーブの出やすい材料です。 神戸製鋼は連続式AP設備の特長である短時間焼鈍によって結晶粒度を細粒に制御することで、 ポケットウェーブを抑制することに成功しました。
ポケットウェーブ発生（従来VA材）
断面ミクロ組織
ポケットウェーブ無し（スーパーAP材）
断面ミクロ組織
建材用チタンは材質の作りこみと共に意匠性に応えられる表面仕上げが重要です。従来のVA設備※1（バッチ式真空焼鈍炉）に加え、世界で唯一のチタン専用連続式AP設備※2（連続式焼鈍酸洗ライン）を設置しております。従来のチタンでは得られなかった建材用特性を備えたスーパーAP仕上げ材の供給が可能になっております。
※1 VA：Vacuum Annealing
※2 AP：Continuous Annealing and Pickling
真空焼鈍炉（VA炉）
連続焼鈍酸洗ライン（連続式APライン）
お客様の立場にたってチタン建材用に開発した技術です
変色しにくいチタンを使用しても稀に苛酷な外的環境要因により変色が発生することがあります。 多くの変色除去手段がありますが、変色していない部分と表面性状が異なってしまう欠点がありました。 神戸製鋼では元の表面性状を復元する変色除去技術を開発しております。
半永久的なチタン建材による、腐食に関するメンテナンスフリーに加え、 汚れその他についてもメンテナンスフリーを実現する塗料です。
（1）、（2）について詳しくはお問い合わせください。
神戸製鋼では、通常の屋根、壁用としてはスーパーAP仕上げ材をお奨めしますが、より光沢のあるAPスキンパス材、更に光沢があり表面の清浄なVA仕上げ材、VAスキンパス材にも対応いたします。
また、強度の必要な部分に適した高強度純チタンから各種チタン合金まであらゆるチタンを製造し、多様化するお客様のニーズに応えられる体制を整えております。
