熱間加工性と切削性に優れた高強度チタン合金 KS EL-F、KS EL-FII

KS EL-F(Ti-4.5Al-4Cr-0.5Fe-0.2C)

Ti-6Al-4Vは最も汎用的なチタン合金として広く使用されていますが、必ずしも加工性に良いとは言えないため、トータルコストが高いというデメリットがありました。KS EL-Fは室温での強度はTi-6Al-4Vと同等以上で、優れた熱間加工性と切削性を兼ね備えた特性を、高価なVを使用することなく安価なFe、Crを主要添加元素とした成分系で実現したチタン合金です。

KS EL-FII(Ti-4.5Al-2Cr-1.3Mo-1.7V-0.2C)

KS EL-FIIはKS EL-Fの特徴である優れた熱間加工性を維持したまま、熱処理(溶体化時効処理)により高強度化が可能な合金です。優れた強度延性バランスを有し、これまでTi-6Al-4V合金の適用が難しかった高強度部品への適用が可能となります。

700℃焼鈍材の特性

  KS EL-F KS EL-FII
変態点(℃) 970 955
密度(g/cm3 4.49 4.51
0.2%耐力(MPa) 1019 1003
引張強度(MPa) 1057 1061
伸び(%) 19 19
絞り(%) 52 54
ヤング率(GPa) 105 100

KS EL-Fの鍛造品

鋼用の金型を用い、930℃で鍛造しました。
Ti-6Al-4Vでは鍛造できない形状です。

KS EL-FII の時効後の強度延性バランス

図 KS EL-F、KS EL-FII とTi-6Al-4Vの切削性の比較の一例
(折損までにドリル加工可能な数で評価)

用途

  • コンロッド、バルブ等、熱間成形部品
  • Ti-6Al-4Vの代替品

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株式会社 神戸製鋼所 素形材事業部門 チタンユニット
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チタン工場 技術部

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