小紫 咲花さん(小学2年)
「里山のおそうじとうばん」
永野 咲梨さん(小学5年)
「森は音で出来ている」
林 風花さん(小学5年)
「ふうちゃんと森のようせい」
濵田 聖さん(小学5年)
「アオの家族」
永井孝典さん(高校1年)
「キースの小さな森」
山本 小百合さん(中学2年)
「森のお巡りさんのある日」
赤松 朋音さん(中学3年)
「森のケーキ屋さん」
杉島 穂月さん(高校3年)
「森のオーケストラ」
南川 颯佑(小学2年)
「カブトムシのなんでもようひん店」
一回目より審査委員長を務めております、永田萠でございます。
改めまして、受賞者の皆さん、ご家族の皆さん、本当におめでとうございます。
今年度は569件の応募がありました。秋に原稿が送られてくると、私は、これから毎日毎日、この原稿を読まねばならないという、プレッシャーを感じます。そしてまだ若い皆さんがたが一作一作一生懸命書かれた文章に、本当に胸が熱くなります。
でも、とても厳しい審査があり、いくつかの審査のポイントがあります。
まず一番大切なポイントは、森が正しく理解されて、表現されているか、です。今までの審査を経て、私が強く感じるのは、今年度は本当に素晴らしいという事です。森についての知識もたくさんあり、でも頭の中だけで作ったおはなしではない。皆さんがたが実際にその場に足を運んで、しっかりとその場の空気や、それこそ香り、そういったものが伝わってくる、とても素晴らしい文章でした。
次のポイントは、物語の魅力があるか、ナンバーワンの独創性があるかということです。11回も回を重ねましたので、もう既に素晴らしい作品が存在するわけです。それ以上のものを書いていただかないといけない。私たちもそのつもり読ませていただきます。どんどんハードルが上がります。今年、またぐんと上がりましたので、来年応募される方は大変ですね。
そして最後に最も大切なポイントは、このおはなしは絵本になるか、という事です。金賞作品はプロの絵本作家、挿絵画家の方が絵を描き、一冊の絵本として誕生します。ですから、どんなに魅力的なおはなしでも、絵本としてなりえるかが、ポイントになります。絵本は「絵の本」と書きますので、みなさん絵を中心に思われるかもしれませんが、まず最初に原稿が存在します。画家はおはなしを読んでイメージを膨らませていきます。そして文章の邪魔をしないよう絵を描きます。つまり文章で語っていることは、絵ではそっとサポートする。でも文章が書ききれないことは絵がちゃんと描いて表現します。
今年も本当に素晴らしい作品がたくさん集まりました。改めて審査員の一人として皆さん方にお礼を申し上げたいと思います。そして、心からのお祝いも申し上げたいと思います。おめでとうございます。そしてありがとうございました。
審査員長 永田萠
小紫咲花さん(小学1年)
「まつぼっくりのマツちゃん」
杉本和花奈さん(小学4年)
「ムーマとミントとまぼろしの木の実」
濵田聖さん(小学4年)
「森の食堂屋さん」
山本莉央奈さん(小学3年)
「ぼくのゆめは森のパトロールたい」
小島朱莉さん(高校1年)
「森のいりぐち」
宮下稜生さん(中学3年)
「森の住人」
岩倉有希乃さん(中学1年)
「へーんしん!」
今枝久実さん(高校1年)
「森の夏祭り」
審査員長を務めました永田萠でございます。
KOBELCO森の童話大賞、今年度の第10回は537件の応募がありました。
その中で、本日ご出席の受賞の皆さま、ご家族の皆さま、本当におめでとうございます。
わたくしも第1回目から審査員を務めておりますので、10回目を迎えたのかと感無量です。
わたくしたち審査員一同は、秋になると神戸製鋼からたくさんの原稿が届きます。
毎日肌身離さず持ち歩いて、時間があるたびに何度も何度も読みます。それは大変な作業です。そして、審査員がそれぞれの視点で評価をいたします。例えば物語性が豊かであるか、表現力が豊かであるか、何より個性的であるか。そして大事なことは、絵本の文章として適切であるか。というようなポイントで審査をします。
そして、審査員が一堂に会する審査会が始まりますと、これがまた長くかかります。本当に良い作品ばかりで、審査員一同が、これこそ一押しという作品を持ってきておりますので、そこで色々意見を戦わせて、最終的に審査員一同で、決定したのが、みなさまの作品です。
作品全体について総評として申し上げますと、森への学びがとても深いという事が今回の印象に強く残りました。そしてもう一つ、森を舞台にしていますが、主人公は、例えば虫さんだったり、鳥さんだったり、くまさんだったり、ウサギさんだったりを、人間に見立てて、その主人公が何を考えて、そしてどんな冒険をするのか、どんな結末があるのか、そういった物語性、これはファンタジーです。
皆さんはそのファンタジーの世界をとても上手にとっても表現されていました。現実の裏打ち、現実の「森」をしっかりと調べた上で、ファンタジーを組み立てている、これが素晴らしい点です。これはなかなかできることはありません。
私は、小さな作家の皆さまには、ぜひ、本当に、お仕事として物語作家になって頂きたいと思います。そして、たくさんの素晴らしい作品をお書きになって、第一回目のわたしの、ぼくの受賞はKOBELCO森の童話大賞だった、と言って頂くのが、審査員長の夢です。
そのような形で、本当に良い作品を読ませていただいたこと、大変でしたが、とても良い時間を過ごさせていただきました。そのことにつきまして、改めてお礼を申し上げます。
そして、何よりも皆さん、本当によく頑張りました。
おめでとうございます。
審査員長 永田萠
瀧川紗矢さん(小学6年)
「ぶなじいさんと森」
寺田芽生さん(小学6年)
「雨上がりの森」
永野咲梨さん(小学3年)
「森のおとまり会」
鶴見凜太さん(小学4年)
「きみもおいでよ森学校」
城池加菜さん(高校3年)
「よろこびはつながって」
森谷侑弘さん(中学3年)
「森をつくるキセキのきずな」
猪股柊太さん(中学2年)
「私と森とミズナラと」
若松鈴奈さん(高校2年)
「森の天の川」
荒木伶王さん(小学4年)
「そうだ!森へいこう」
第9回KOBELCO森の童話大賞には、819件の応募がございました。
819件の中から選ばれた受賞者の皆さん、本当に素晴らしいです。
審査を行うにあたり、皆さんの作品を読ませていただいて、気付いたことが二つあります。
一つは、実際に森に足を運ばれて、その空気感、音、光、動物たちの気配など、実際に体感して、森のイメージを正確につかみ、森への学びを深くして、そして物語を作られたのがよくわかりました。
二つ目。KOBELCO森の童話大賞は、最優秀作は本になるというとってもユニークなコンテストです。絵本というのは、物語と文章が一体になって、素敵なファンタジーの世界を見せてくれるものです。皆さん方はそのファンタジーを描くのもとても巧みです。現実をしっかりと踏まえたうえで、そこで起こる、ちょっとした不思議、それを上手にとらえて、すくい上げて、表現されていました。本物のファンタジーは、自然の確かな裏打ちがないと生き生きとしたものにはなりません。それを皆さんの作品の中から感じことができて、本当にうれしく思っています。
人と自然の共生はとても大切なことです。
これからの未来を私たちはあなた方に託さないといけない年代になっています。
よりよい自然、よりよい未来が築けますように。
表現者としての能力をお持ちの皆さんの、表現する力に期待しています。
改めて受賞者の皆さん、そして周りで支えてくださった皆さまに、心よりお祝いを申し上げたいと思います。
本当に、おめでとうございました。
審査員長 永田萠
大川 蒼宙乃さん(小学6年)
「森のかなでるステキな音色」
桝屋 光さん(小学6年)
「緑の森と すてきな一日」
小西麦歩さん(小学6年)
「いつも、一緒だよ。」
杉山侑也さん(小学2年)
「クワガタのぼうけん」
中野智史さん(高校3年)
「綿菓子の中のしっぽ」
宇津宮奈々絵さん(中学1年)
「森の素敵を知ろう」
西海ひかりさん(高校2年)
「森のお引っ越し」
城池加菜さん(高校2年)
「そのひかりにてらされて」
森谷侑弘さん(中学2年)
「セミタケ君と森の生命(いのち)」
第8回「KOBELCO森の童話大賞」に、426作品の応募を頂戴しました。その中から厳選され、受賞された11人の皆さん、本当にすばらしい事です。 おめでとうございます。
今回は特に、リモートでみなさんにご挨拶をしたりお話しをしたりしているこの現状は、数年前には予想もできない事でしたし、自然の大切さや、私たちが自然の中でいかにもろく弱い存在であるかという事を思い知らされるような出来事が、色々ありました。応募作品にもそのような時代の背景を象徴するテーマが多く、今回の特徴の一つだと思っています。
小学生の部で金賞を受賞された林美羽さんの「森のかけはし」は、温暖化の影響でミミズとムカデの本屋が暑くなってしまったというお話でしたが、現在世界中で最も関心の高い地球温暖化の問題を、ファンタジーで表現するという難しいテーマに取り組まれていて頼もしく感じました。
中高生の部金賞の増井玲奈さんの「森の命の素晴らしさ」。現実でも実際に大雨が降り続いて、森の木々が流され、それらが濁流となって家を押しつぶしているニュースの映像を去年見ましたが、それをくい止める術がない恐怖を感じつつも、このお話が“森を愛する人たちがいる限り森は必ずまたよみがえる”、という希望を与えてくれました。
このように、皆さんが森の知識をとても深めながら、色々なことに希望を持って、文章を通して明るい未来を私たちに届けてくれている事に、心から感謝いたします。
小学生の部の方は、中高生の部も含めるとまだ何回もチャンスがありますので、ぜひ次のKOBELCO森の童話大賞にも応募してくださいね。審査員の私たちも楽しみながら一所懸命に読ませて頂きたいと思います。
今日は本当におめでとうございます。
審査員長 永田萠
毛利葵さん(小学5年)
「うさぎのポポと森の仲間たち」
小西麦歩さん(小学5年)
「クルとミナの素敵なおうち」
桝屋光さん(小学5年)
「大切な宝物」
小池七乃葉さん(小学2年)
「あきあそび」
本多華蓮さん(中学3年)
「幸せの郵便ポスト」
中野智史さん(高校2年)
「雲と森」
松山結衣さん(中学3年)
「はじめての森」
巽明早紀さん(中学1年)
「森にかかる虹の橋」
森田萌日さん(小学5年)
「がんばれスカべンジャーズ」
KOBELCO森の童話大賞も7回目を迎え、今回も全国から605点の応募作がありました。審査員、関係者を代表してすべての応募者の皆さまにお礼を申しあげます。
わたしたちの暮らしの場の近くには、大小いくつもの森があります。そこは緑の木々が茂り花が咲き木の実が実り、多くの命を育て守る場所です。小鳥や動物たちのように森に生きる命だけでなく、わたしたち人間にとっても森は大きな恵みを与えてくれます。
その森を正しく知り学びを深めながら、森をテーマにした童話を作り応募していただくのが、このコンテストのテーマです。森についての実際の知識とそこで起きるファンタジックなできごとを一つにして「童話」という形にするのはなかなか難しいことですが、今回もすばらしい作品が多く集まりました。
審査員一同、じっくりと読み込み講評を書き、それを持って審査に臨み、数時間をかけて議論を重ねて、その結果、小学生の部と中高生の部からそれぞれ金賞作品が選ばれました。金賞作品はプロの画家が挿し絵をつけて絵本化されますから、文章が絵本にふさわしいのかも重要なポイントです。
まず小学生の部の受賞者は大川蒼宙乃さん。作品は「里山のジュース屋さん」。わたしたちの生活の場のすぐそばにある身近な森、里山の大きなコナラの木は、昼も夜も開店しているジュース屋さん。昼間の店長さんは青紫色の美しい羽根を持つオオムラサキくんです。昼間のお客さまはカナブン、ゴマダラチョウ、スズメバチさんたち。夕方から夜にかけての店長さんはカブトムシさん。お客さまの顔ぶれもクワガタ、カミキリムシ、ムカデと夜行性の虫たちに変わります。ジュース屋さんを舞台に起こるできごとが楽しく綴られていて、視点の独創性とあたたかさが光る魅力的な作品です。
中高校生の部の受賞者は赤土晴音さん。作品は「おいしい森のつくり方」。興味を引くユニークなタイトル通りの上質なファンタジーです。クルミパンを焼きながら、お母さんが坊やに聞かせる宇宙人と森の中の大きな穴の秘密。リズミカルな文章が不思議な世界にわたしたちを誘います。ストーリーの構成力が光る群を抜いた作品です。
今回も物語を読む幸せを与えてくださったすべての皆さん、ありがとうございます。来年もぜひ数多くの作品が集まることを心から願って講評とさせていただきます。
審査員長 永田萠
安藤帆奈美さん(小学2年)
「森の小さなおとしもの」
宮本想徠さん(小学6年)
「森の中のそら」
田井友香さん(小学6年)
「つなげていくよ、生命を」
大川蒼宙乃さん(小学4年)
「ネムノキと太陽」
江里口花さん(高校2年)
「ぼくとシマちゃんの冬の森」
中島那月さん(中学3年)
「幸せの森」
緒方虹さん(高校1年)
「野球少年と森林王国」
中野智史さん(高校1年)
「アゲハくんとの約束」
近藤花乃さん(小学2年)
「もみじひろったよ」
第6回を迎えましたKOBELCO森の童話大賞ですが、これは単なる絵本のコンクールではありません。「森」についての学びを深めて頂いて、私たちにとって森がどれだけ大切な存在か、そして、私たちが森の為に何ができるか、深く考える必要があります。また、そのおはなしが絵本となって、手から手に旅立って行った時に、その旅の先々で、その思いを伝えて欲しい、メッセージを届けるという大きな役割があります。 ですから、ただ面白くて楽しくて、荒唐無稽で、というお話、だけではダメなんです。 だからと言って、科学絵本ではありませんので、ひたすら森の生態を書くというものでもありません。ちょうどこの二つの要素をミックスした、実はなかなか難しいコンテストです。
総評という意味では、今年は、小学生の部で、先ほど申し上げた要素を見事に備えた作品が、金賞から銅賞までずらりと並びました。順位が多少入れ替わってもおかしくない、本当に粒よりの良い作品が集まりました。小学生の皆さんの感性の豊かさ、想像力の豊かさ、好奇心や、ワクワクする思いや、そういったものがうんと強く、文章に表れていました。
そして、どうしても触れなければいけないのは、森凜さんです。 私たちは審査の間、作者のお名前はもちろん、男性か女性か、どこのエリアの方かも、一切知りません。ですから、本当に喧々諤々(けんけんがくがく)の議論を尽くします。金賞が選ばれた時に森凜さんが連続金賞受賞だと聞いて、本当にびっくりしました。森凜さんの作品はとてもチャーミングです。森さんの力のすごさは、昨年の作品と全く世界観が違うところです。全く違う世界を、まさに1年歳を重ねて、より観察力も深まって、表現力も豊かになって、とても素晴らしい文章で再登場された事は素晴らしいと思います。 東田さんの作品には哲学がありました。素晴らしかったです。特にここ2,3年、集中豪雨などの天災に多く見舞われて、私たちは改めて森の大切さ、人類が文化や文明の発展のために、自然を犠牲にしてきた事を実感する昨今ですからね。あなたの作品に込められた強いメッセージは私たちの胸を深く打ちました。ぜひ将来絵本作家を目指してください。
改めまして、皆さん本当におめでとうございます。
審査員長 永田萠
森美翠さん(小学6年)
「木をさがしています」
西田優莉奈さん(小学2年)
「あそびの森」
桝屋芽生さん(小学6年)
「シラカバどうぶつ病院」
古角沙千さん(小学4年)
「おだいじに」
久家彩加さん(中学3年)
「森の四季の美しさ」
吉田翔野さん(中学3年)
「トンボのめがね」
岡伽琳さん(中学1年)
「森のバードコール」
平野ひまりさん(高校2年)
「モリノオクハウス」
天谷椎奈さん(小学5年)
「ひみつの森山鉄道」
KOBELCO森の童話大賞は5回目を迎えました。
とても嬉しい事は、受賞歴のある方々がこの会場にいらっしゃることです。
もちろん、私たちは審査中、作者を知りません。
純粋に作品だけを読んで、非常に厳正な審査を致します。
審査員が、本当に皆さんたちの作品を真剣に読んで参りました。
そして、670の応募作の中から選ばれた少ない受賞者の中に、過去の受賞歴をお持ちの方がいらっしゃるというのは、本当にすごい事ですし、なによりとても嬉しい事だと思っております。
ただ今回の受賞に関して言いますと、少し厳しい事を申しますが、 小学生さんの方が、圧倒的に、文章力、発想力、表現力が豊かでした。
私は絵の審査もしますが、絵でも同じ事が言えます。
大人になっていくたびに、勉強をして、色んな知識を得ていきます。
絵ならデッサン力もつきます。文章なら表現力もつきます。形容詞もたくさん覚えます。
だけど、なにかみずみずしさが、新鮮な発想が逆に失われていくんです。
年を重ねたからと言って有利ではない、逆に不利かも知れない。という事があるんです。
今回の全体の作品の印象としては、それが一番強かったです。
でも、前回も前々回と、必ずしも、そうではない。
今回に関しては、逆に小学生の皆さんをうんと褒めたいと思います。
素晴らしい。本当に素晴らしい作品、粒ぞろいの作品が集まったと思います。
さて、KOBELCO森の童話大賞で一番大切なことは、森を表現する、という事です。
そういった意味では、5回目を数えて、そのレベルはすごく上がっています。
本当に、研究もされ、勉強もされ、その上に想像の翼を広げて、軽やかに物語の世界に飛びこんでいかれた過程が良くわかります。
皆さんの作品のレベルはとっても高いと、審査員長としては、嬉しく誇りに思っています。
小学生の方々はまだまだ時間がありますね。これからもぜひ続けて応募をして頂きたいと思います。
そして、中高生の皆さんは、残った時間を大切に使って頂いて、ぜひ「あぁ、さすが中高生」とみんなを感嘆させる作品を作って頂ければ、と思います。
皆さんに、改めて感謝の言葉を添えて、講評とさせて頂きます。
本当にありがとうございました。そして、おめでとうございます。
審査員長 永田萠
岩佐悠生さん(小学6年)
「森のしっぽ屋」
桝屋芽生さん(小学5年)
「森のミドリはいたつ屋」
森美翠さん(小学5年)
「なんでも屋へようこそ」
森山煌大さん(小学6年)
「森の教育委員会」
吉田翔野さん(中学2年)
「コノモリのモノガタリ」
峯山広大さん(高校2年)
「いつかまた」
井上はるきさん(中学1年)
「森の中のきみとぼく」
渡邊一生さん(高校1年)
「森の駄果枝屋「月輪堂」」
﨑戸英水さん(小学1年)
「もりのコロックせんせい」
平野ひまりさん(高校1年)
「手の中の森」
受賞者の皆様、本日はおめでとうございます。もとより625件の応募をいただきました皆様に、あらためてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
KOBELCO森の童話大賞には、「森」という大きなテーマがあります。みなさんに童話を書いて、応募してもらう中で、森に対するいろんな思いを物語にたくしていただくこと。これは外すことはできない大きなテーマです。
森は、現実の私たちの暮らしのすぐそばにあります。手で触れることも、森の中をお散歩することもできます。その森の正しい知識と、童話としてのファンタジー、つまり現実の暮らしの近くにある不思議な世界、を融合させなければいけないという、難しい課題があります。これは私たちプロにとっても、その両方の魅力を一つにするのは、なかなか難しい事です。
また、このコンクールは、小学生の低学年で応募した人がまた中高生になっても、ずっと長く応募できるという特徴もあります。私としては、回を重ねるにつれて、皆さんがより一段と森の学びを深くし、コンクールの趣旨を深く理解したうえで、なおかつ新しくみずみずしい作品を生みだすことを期待しています。
金賞を受賞された沙紀さんが図らずしもインタビューの中で言っていましたが、作品を読んだときに文章の中から絵が浮かぶこと、これはとっても大事なことです。『さぞ美しい、魅力的な絵本になるだろうな。』と思わせる点も審査の大きなポイントになっています。日ごろからたくさんの物語を読んで、たくさんの優れた絵本を見て、文章から絵が浮かぶような作品をぜひ書いて応募してください。
今回も、審査員長として、優れた作品をたくさん読み、楽しい時間を過ごさせていただきました。そして絵本作家としても、楽しい作品の絵を描かせていただきました。あらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
審査員長 永田萠
佐藤真実子さん(小学6年)
「森とトンボとコンチューサイシュー」
桝屋芽生さん(小学4年)
「森の中のゲッケイジュ君」
川俣綾音さん(小学6年)
「風と森のお客さん」
国丸明梨さん(小学6年)
「思い出の森」
峯山祐香さん(高校3年)
「みんな、みんな生きているんだ」
朝喜萌日さん(高校2年)
「森の主」
玖村誠さん(中学3年)
「幸せの森」
多木愛美音さん(高校2年)
「大丈夫だよ」
田野陽葵さん(小学1年)
「いたずら3しまいがつくったもり」
KOBELCO森の童話大賞は、普通のコンテストと少し色合いが違います。おはなし作りを通して、私たちの身近な所にある森の大切さ、森の恵み、森のために私たち人間は何をしなければいけないのか、何をしてはいけないのか、そういったことに改めて気づく、学ぶきっかけにしていただきたいという、大きなテーマがあります。
今回は、どういった作品が金賞作品に選ばれるのかをお話ししたいと思います。
まずは、森がきちんと表現されていないといけません。服部先生からもお話がありますが、森の中には木だけではなく、小動物、植物を含めて生態系というものがあります。絶対的な自然界のルールを、勉強して知ることが第一となります。ですが、それだけでは、教科書みたいになってしまいます。物語は読んで楽しくないといけません。現実の世界を描きながら、そこに不思議を盛り込む。そこで次に必要になるのは、魅力的な主人公たちです。読者がぐっとその物語に引き込まれて、主人公と同じ体験をする。ワクワクドキドキしながら、そして『あぁ面白かった!』と本のページを閉じる。これが、絵本の楽しみ、物語の世界に迷いこんでいく楽しさです。KOBELCO森の童話大賞は、この2つを兼ね備えていなくてはいけません。
審査員はそれぞれの専門分野をあわせながら、絵本にしたときに魅力が増す可能性を持ったおはなしかどうか、厳正な審査を行います。 どれも絵を描いてみたいと思うような魅力的な作品がたくさんあり、毎回レベルはどんどんあがっています。そのことを私たち関係者は本当に喜び、幸せなことと感謝して受け止めています。
審査員長 永田萠
一田桜さん
「雫」
矢澤希空さん(小学6年)
「ウクレレが運んだ森のメッセージ」
矢澤宙空さん(小学6年)
「緑のヘッドフォン」
柳咲実さん(小学6年)
「森のカレー」
多木愛美音さん(高校1年)
「縁の下の力持ち」
近藤沙紀さん(中学1年)
「二つの森」
北住芽瑠さん(中学1年)
「森の仲間」
小澤彩さん(高校2年)
「シンくんの木」
髙橋大輝さん(小学1年)
「むしのたんけん」
第2回となるKOBELCO森の童話大賞ですが、今回もたくさんの応募を頂きました。私たち審査員は、夏からたくさんの作品を読ませてもらいました。 審査会でも十分な議論を交わし、本日の11作品が選ばれました。
金賞作品は絵本化されますが、絵本になるということはどういうことかについてお話したいと思います。どんなに優れたおはなしでも、文章の中に絵の座る場所がないとなかなか絵本になりません。つまり、2つの違う世界、絵の世界と文字の世界が一緒になって、素晴らしい絵本となって、読者に伝えていくことができます。単に優れた文章ということだけではなく、そこに絵が寄り添う余地があるかが受賞の重要なポイントになります。今回、受賞には至らなかった作品の中にも絵を描いてみたい作品がたくさんありました。
森と人間の共生は大切なことです。私たちは昨年も多くの災害に見舞われました。でも、人間の手は他の動物と違って、森を守り育てることができます。皆さんが作られた物語がより一層いろいろなところに旅立っていって、森の大切さを伝えることによって、森と私たち人間が一緒に生きていける豊かな未来が築いていけるものと思っています。
審査員長 永田萠
矢澤希空さん(小学5年)
「動物たちとドングリの森」
矢澤宙空さん(小学5年)
「月水木土日の森」
内陽奈さん(小学4年)
「きせきの森ときせきの鳥」
富樫碧さん(小学4年)
「森の小学校」
峯山祐香さん(高校1年)
「ずっと森を守る」
菅智子さん(中学3年)
「奈保と森の少年」
前田優希さん(中学2年)
「北の森のライオン」
高松香奈さん(高校3年)
「くりすけのどんぐり」
赤松未子さん(小学4年)
「オレタチハエライゾ?!」
山口ひかるさん(中学1年)
「地球づくり」
KOBELCO森の童話大賞では、森の保全、森の大切さ、森とどうやって人間は関わって生きていくのかという大切なテーマがあります。ですから、すべての作品には、共通してテーマに沿った主旨というものを表現しなければなりません。そして、同時に楽しい童話ですから、そこにファンタジーが必要です。つまりリアリティーとファンタジー、リアリティーとは現実性の高い、誰もが目で見て、耳で聞くこと、ふれることの出来る世界です。かたやファンタジーというのは、楽しい想像の夢の世界に私たちをいざなってくれる世界ですね。一見相反するふたつの要素をひとつの世界の中で表現しなければなりません。これは私たち大人のプロの絵本作家にとってもとても難しいことです。しかし、さくらさんと尚紀くんは見事に二つの要素を自分の力を出し切って表現してくださいました。
みなさんの作品を拝見し感じたことは、まず森に対しての皆さんの共通イメージです。そこは豊かで、自然に溢れていて、私たちを優しく包んでくれる場所でしょうが、現実の森はそういったものではありません。全ての作品の中に共通して、もっとも多く出てきたものは、ドングリ、クマさん、ウサギさん、そして森の妖精です。これらは大切な要素ですが、一方ですごく平凡にもなってしまいます。同じテーマを使っても、そこからいかに新鮮で驚きを伴うメッセージを発信できるかに作家のみなさんの力が問われているのです。
ですから、選ばれた全ての方々が、ある意味テーマが重なっています。「あたしドングリ書いたわ」「わたしリスさん書いたわ」という方もいると思います。受賞した作品にはそのたくさんの応募作の中で際立って、個性的で、みずみずしく、力に溢れたもので、同じテーマであっても、抜きん出たところがあったのです。今後も多くの人が応募し、その中から童話、絵本作家が誕生することを願っています。
審査員長 永田萠