UBE三菱セメントとのブラックペレット製造販売に関する共同事業化検討について
2025年05月15日
株式会社神戸製鋼所
当社とUBE三菱セメント株式会社(以下、MUCC)は、脱炭素社会の実現に貢献していくことを目的として、CO2削減に資する原燃料であるブラックペレットの共同事業化に向けて検討を進めることに合意しました。
ブラックペレットは、日本でも一般的なバイオマス燃料である木質ペレット(以下、ホワイトペレット)を特定の条件で炭化することで、石炭と同等の発熱量を有する燃料となり、発電燃料だけでなく製鉄原料としても使用できる可能性がある脱炭素原燃料です。ホワイトペレットに使用する木材は、森林の健全な成長を目的に間伐された木や、製材工程でやむを得ず発生してしまう端材やのこくず、その他の十分に活用されていない木材を使用します。木は成長段階でCO2を吸収しており、カーボンニュートラルな原燃料と位置付けられています。よって、鉄鋼生産プロセスや火力発電所において使用することで、自然環境への影響を最小限化しつつ、石炭の使用を減らし、脱炭素化に資することができます。またブラックペレットは炭化した原燃料であることから耐水性があり、屋外保管が可能なため自然発火等の管理や対策が容易であり、リスクが低く安全な原燃料です。
当社は脱炭素化の手段としての可能性を広げるブラックペレットに着目し、日本国内外での普及の先導役を果たすべく、MUCCと予備的な共同事業化検討を進めてきました。
MUCCは長年に渡り日本国内でブラックペレット製造技術および石炭混焼技術の独自開発に取り組んでいることに加え、国内最大級のブラックペレット製造プラントの長期安定操業の実績もあり、日本を代表するブラックペレット製造メーカーであると当社は評価しています。高い技術力を持つMUCCと、CO2を大量に排出する当社が組むことで、日本全体の脱炭素化に貢献していきたいという想いを同じくし、この度の共同事業化検討に至りました。
まずは、当社とMUCCは、MUCCが保有するブラックペレット製造技術で当社の加古川製鉄所における使用に向けた詳細な共同事業化検討を進めます。
事業化検討の結果を踏まえ、合弁会社の設立を現時点で2026年に目指しています。
更に、海外でのプラント増設を通じて、当社での使用のみならず、ブラックペレットを必要とされるお客様への供給も視野に、検討を進めていきます。
なお、鉄鋼生産プロセスにおいて使用する検討の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発委託・助成事業「JPNP21019(GREINS)」により実施しています。
KOBELCOグループの変革への取り組み“KOBELCO-X”について
KOBELCOグループは今中期経営計画(2024~2026年度)において、「魅力ある企業への変革」を取り組むべき目標に掲げており、これを実現するための変革「KOBELCO-X」を推進しています。本件は以下のGXの一例です。
- GX(Green Transformation)
ブラックペレットの鉄鋼生産プロセスでの使用により脱炭素に貢献
KOBELCOグループは、今中期経営計画(2024~2026年度)の最重要課題の一つに「カーボンニュートラル(CN)への挑戦)を掲げており、本件もこれに資するものと考えております。今後もKOBELCOならではの技術・製品・サービスのかけ算を通じて、すべてのステークホルダーの皆さまにとって“魅力ある企業”へと変革をすすめ、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指していきます。

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