素形材 製品・技術

抵抗器用途向け新銅合金「KCAR™44」の開発ついて

2026年06月12日

株式会社神戸製鋼所

当社は、電流検出に用いられるシャント抵抗器用途向け新銅合金「KCAR™44(Cu-Mn-Ni系)※1」を開発し、お客様による評価を目的としたサンプルの出荷を開始しました。

近年、xEV(電動車)の普及や産業・社会インフラの高度化に伴い、電力を高効率かつ高精度に制御・管理するニーズが急速に高まっています。一方で、従来の抵抗器材料では、高温使用時の特性安定性が課題となるケースがありました。
新たに開発したKCAR™44は、抵抗温度係数※2が±20ppm/K(20~50℃)と温度変化に対する抵抗値の変動が小さく、使用環境の温度が変わっても電流値を安定して正確に測定することができます。また、体積抵抗率※3は44μΩ・cm(代表値)と、従来のシャント抵抗器材料と同等の抵抗特性を維持しており、既存設計を大きく変更することなく適用可能です。加えて、高温使用環境での安定性を高めている点も大きな特長です。

項目 KCAR™44
電気抵抗値
(従来材と同等の電気抵抗値を維持)
電気抵抗値の温度変化への安定性
(従来材と同等の安定性を維持)
高温使用環境での電気抵抗値の安定性
(高温使用環境下で抵抗を安定化させ、抵抗器の設計自由度向上が期待できる)

本材料は、自動車分野ではBMS(バッテリーマネジメントシステム)や電動コンプレッサ等、産業分野ではパワーモジュール、電源装置、電動工具、サーバー電源等への採用を想定しています。

当社は今後も、「KCAR™44」の特長を活かした利用技術の提案を通じて、電気エネルギーをより高度かつ安全に使用できる社会の実現に貢献していきます。

KOBELCOグループの変革への取り組みについて

KOBELCOグループは今中期経営計画(2024~2026年度)において、「魅力ある企業への変革」を取り組むべき目標に掲げており、これを実現するための変革「KOBELCO-X※4」を推進しています。
今回の開発は、従来材の特性を維持しつつ高温環境での安定性を高めることで既存用途での競争力を強化するとともに、xEVや電源分野など新たな市場ニーズへの対応を可能とするものであり、AXの一例と考えています。

  • AX(Ambidexterity:両利きの経営/既存事業の深化×新規事業機会探索)

当社グループは今後も、KOBELCOならではの技術・製品・サービスのかけ算を通じて社会課題の解決に挑み、ステークホルダーの皆様にとって「魅力ある企業」へと変革をすすめ、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指していきます。

  1. ※1KCAR:Kobelco Copper Alloy for Resistor
  2. ※2抵抗温度係数:温度が変化した際に、抵抗値がどれくらい安定しているかを示す指標
  3. ※3体積抵抗率:材料がどの程度電気を通しにくいかを示す指標
  4. ※4KOBELCO-Xの取組み[PDF:7.84MB]

    KOBELCOグループが魅力ある企業へ変革していくために取り組むべき変革を総称して「KOBELCO-X」と名付け、具体的な7つのXを設定しています。

KOBELCO-X
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