企業情報

JIJと量子コンピューティング技術の活用に向けた基本契約を締結

量子コンピュータを活用した次世代計算基盤の実装と事業競争力強化を推進

2026年07月02日

株式会社神戸製鋼所

当社は、株式会社JIJ(以下、JIJ)と、量子コンピューティング技術の活用に向けた基本契約を締結しました。これは複雑化する事業課題への技術対応力の強化を目的とするものです。グループ横断での活用を見据えた推進体制として「量子CoE」※1を組成し、JIJとの協業のもと、量子コンピューティング技術の事業実装を目指した取組みを開始します。

背景

当社グループは、素材系・機械系・電力という3つの事業領域を柱とした多様な技術・製品・サービスを展開しており、高度で複雑な事業課題に対応しています。これらの課題は、社会情勢や市場動向の変化に伴いさらに高度化・複雑化していくことが見込まれ、従来の手法や経験・知見に基づく判断だけでは、対応が難しくなりつつあります。また、今後の事業成長に向けては、こうした高度な課題解決力の強化を通じて、新たな事業機会の創出を図ることが重要となります。

量子コンピューティング技術は、従来は取り扱いが困難であった膨大な組み合わせや制約条件を伴う複雑な課題に対し、効率的に最適解を導出できる可能性を有する新たな計算技術です。また、産業での活用に向けて、機械学習やデータ解析、CAE※2を活用した設計・解析など幅広い分野への応用検討が加速しています。

一方で、実用化には新たな技術基盤の確立に加え、人材育成や活用するための体制構築が不可欠であり、短期間で確立できるものではありません。そのため、当社は早期から量子コンピューティング技術の獲得・実装に体系的に取り組むことが重要であると判断し、本取組みを複数年にわたり推進します。

取組み概要

以下の観点から総合的に取組みを進めます。

  • 技術実装の推進

    材料開発や生産管理・工程最適化等の領域を中心に、適用可能性を検証し、実案件を通じた技術開発を進めます。

  • 人材育成・知見蓄積

    実務で活用できる人材の育成と、社内における知見の蓄積・体系化を進めます。

  • 基盤・ガバナンス整備

    継続的に活用するためのルールや業務プロセス、次世代計算基盤の整備を行い、グループ横断での活用を可能とする体制構築を進めます。

初年度は、材料開発や生産管理・工程最適化等の領域を中心に取組みを進めていきます。具体的には、相反する特性を両立する材料設計・材料開発や、多工程・多制約条件下での生産計画等、従来手法では解決が困難な課題を対象に、量子コンピューティング技術の有効性を検証していきます。本取組みは、個別検証にとどめず、当社グループの各事業へと段階的に拡大し、事業成長に資する形で継続的に活用できる状態の確立を目指します。

パートナーの選定理由

JIJ※3は、量子コンピューティング技術及び数理最適化分野において、産業課題への適用を見据えた技術開発・実装を推進している企業です。国内にとどまらず、海外を含む量子コンピューティング分野の産業ネットワークにおいても高い存在感を有し、国の研究開発プロジェクトへの参画等を通じて、社会実装に関する豊富な知見と実績を蓄積しています。特に、複雑な課題を計算可能な形に定式化し、アルゴリズムとして実装する能力と、実案件を通じて技術を社会実装していく実行力があります。こうした強みを活かし、量子コンピューティング技術の事業実装を実現し、新たな事業機会の創出を目指す共創パートナーとして選定しました。

今後の展望

当社グループは今中期経営計画(2024~2026年度)において、「魅力ある企業への変革」を取り組むべき目標に掲げており、これを実現するための変革「KOBELCO-X」※4を推進しています。本取組みは、量子コンピューティング技術の将来的な産業利用を見据え、複数年にわたり段階的に推進するものであり、既存事業の深化及び新たな価値創出を通じて、グループ全体の競争力強化につなげていくものです。これは、AXの一例と考えています。

  • AX(Ambidexterity:両利きの経営/既存事業の深化×新規事業機会探索)

今後も、KOBELCOならではの技術・製品・サービスのかけ算を通じて社会課題の解決に挑み、ステークホルダーの皆様にとって「魅力ある企業」へと変革をすすめ、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指していきます。

  1. ※1CoE(Center of Excellence)

    特定分野における専門性・知見を集約し、全社横断での活用や高度化を推進する中核的な機能・役割のこと。本取組みにおいては、特定の固定組織に限定されるものではなく、関係部門が連携して機能する体制を指します。

  2. ※2CAE (Computer Aided Engineering)

    コンピュータを用いて、製品の設計や性能・挙動をシミュレーション・解析し、設計検討や評価を支援する枠組みのこと。

  3. ※3JIJ

    量子コンピューティング技術及び数理最適化分野の専門家が集うスタートアップであり、エネルギーをはじめとする幅広い産業領域に対し、最適化課題の解決を支援するサービスをグローバルに提供しています。数理モデルの構築からアルゴリズム設計、実装、運用までを一貫して支援するほか、独自の最適化プラットフォームを通じて、企業の意思決定高度化や業務効率化に貢献しています。

  4. ※4KOBELCO-X

    当社グループが魅力ある企業へと変革していくために取り組むべき変革を総称して「KOBELCO-X」と名付け、具体的な7つのXを設定しています。
    当社グループが取組む「変革」[PDF:7.84MB]

KOBELCO-X
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