鉄鋼アルミ サステナビリティ

鉄鋼事業の段階的な脱炭素化に向けたスクラップ溶解炉の導入検討の開始について

2026年05月18日

株式会社神戸製鋼所

当社は、鉄鋼事業の段階的な脱炭素化に向け、加古川製鉄所における既存の高炉−転炉法を基盤としつつ、鉄スクラップを有効活用することが可能な「スクラップ溶解炉(本設備)の導入」について本格検討を開始しました。

当社は、製鉄プロセスでのCO2削減に向けて「高炉でのCO2削減(高炉HBI多配合、バイオマス吹き込み)」、「ベース技術の活用(省エネルギー技術の追求、スクラップ活用拡大)」、さらに現行の高炉2基体制の見直しを含めた「大型革新電炉による高級鋼製造」等、複線的検討を進めています。

製鉄プロセスにおけるカーボンニュートラル(CN)対応を取り巻く環境としては、政府による製造プロセス転換に関する支援制度、GXスチール※1普及促進策等が進展するとともに、お客様からのCO2削減及び資源循環(CE)の観点でのニーズも高まっています。このような状況下、当社はCN・CEに向けた生産体制変革とGXスチール供給力確保を、加古川製鉄所の単一拠点で同時並行的に進める必要があります。中長期的な鉄鋼需要及びGXスチールの市場形成の動向を見極めながら、投資回収の予見性を確保して進めるためには、段階的な生産体制変革が不可欠です。

本設備の導入により、転炉内で高炉溶銑と本設備で製造した溶鋼を混合するプロセスが可能となります(合わせ湯方式)。従来の高炉−転炉法と比較すると、大量のスクラップ投入を可能とすることにより、高炉溶銑の使用を抑制し、CO2排出を削減することが可能なプロセスです。加えて、スクラップをより高い割合で安定的に活用することが可能となり、鉄源の循環利用という観点からも、お客様の資源循環ニーズに応えるプロセスとなります。また、転炉工程で精錬を行うことで、従来の高炉材と同等の品質・品位を確保できることを前提としています。

大規模な製造プロセス転換を伴う抜本的な施策と比べ、既存設備との親和性が高いことに加え、投資規模やコスト面においても投資回収の予見性を重視しながら、GXスチール需要の段階的な拡大や当社の事業規模及び生産体制に適した形で導入可否を検討できる選択肢と位置付けています。

本設備導入の本格検討にあたり、社内の検討体制を整備しています。あわせて社外関係先・ステークホルダーの皆様との検討を深化させていくことで、早期の導入・実現を目指します。

本設備導入検討の概要

設備名称

スクラップ溶解炉

設置場所

加古川製鉄所

生産能力

70万t/年

意思決定時期

2027年度を開始年度とする次期中期経営計画期間中

稼働時期

2030年代前半(目安)

概算投資額

約1,000億円規模

本設備を用いた合わせ湯方式のプロセス

当社グループは今中期経営計画(2024~2026年度)において「稼ぐ力の強化と成長追求」及び「カーボンニュートラルへの挑戦」を最重要課題に掲げ、これらを実現するための変革「KOBELCO-X※2」を推進しています。本設備の導入に向けた検討は、その中で、事業戦略の柱の一つとなる「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」に該当するものとなります。当社はこのような事業活動を通じて社会課題の解決に挑み、ステークホルダーの皆様にとって「魅力ある企業」へと変革をすすめ、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指していきます。

  1. ※1経済産業省主催の「GX推進のためのグリーン鉄研究会」のとりまとめで定義された「グリーントランスフォーメーション推進のためのグリーン鉄」の略称
  2. ※2当社グループが取組む「変革」[PDF:7.84MB]

    KOBELCOグループが魅力ある企業へ変革していくために取り組むべき変革を総称して「KOBELCO-X」と名付け、具体的な7つのXを設定しています。

KOBELCO-X
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