2005~2025年度の歩み

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20102012

年度

志向

― 中長期経営ビジョンの策定と成長領域への舵取り ―

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成長領域を見据えた事業展開とグループ総合力の発揮

オンリーワンの徹底的な追求

鉄鋼事業

ハイテンと特殊鋼のグローバル展開に向けて、2010年12月の米国PRO-TEC Coating Companyでの自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備(Continuous Annealing Line:CAL)建設の決定(2013年5月稼働、第4章参照)や、中国・神鋼特殊鋼線(平湖)有限公司の能力増強(2011年11月決定、2012年7月以降順次稼働)等を行った。

国内では、2011年10月に加工性や遅れ破壊特性に優れたTBF型1,180MPa級自動車用冷延ハイテン材が、日産自動車(株)の新車種のボデー骨格の主要部品に採用された。2012年11月に国土交通省のNETIS※1(新技術情報提供システム)に登録された塗膜下耐食鋼「エコビュー®」は、塗膜下腐食の進行を抑制することで、高塩分環境下でも鋼橋の塗装塗り替え周期の長期化によるライフサイクルコスト低減に貢献できる製品として、採用実績を伸ばした(2016年12月にはNETISのVR技術認定も取得)。

チタンでは、2012年5月に燃料電池用チタン製セパレータ素材の開発を公表した。チタン箔の表面に安価なカーボン系材料をコーティングすることで、高導電性を付加し、燃料電池の長寿命化につながると期待された。加えて燃料電池の小型・軽量化にも寄与できるものであった。

また、2012年5月に開業した東京スカイツリー®には円形鋼管をはじめ、当社グループの様々な製品が採用された。

東京スカイツリー®に採用された当社グループの製品

当社・鉄鋼事業部門、佐々木製鑵工業(株) スカイツリー本体、ゲイン塔 円形鋼管、鉄骨用厚板
地下低層部、中塔部、展望台 鉄骨用厚板
当社・溶接事業部門 スカイツリー本体、ゲイン塔 フラックス入りワイヤ、ソリッドワイヤ、サブマージワイヤ
神鋼ボルト(株) スカイツリー本体 トルシア形高力ボルト、防錆処理六角高力ボルト
ゲイン塔 防錆処理六角高力ボルト
神鋼鋼線工業(株) ゲイン塔リフトアップ工事用 PC鋼材15.2mm径
心柱向けコンクリート補強用 PC鋼材15.2mm径
非常階段リフトアップ工事用 PC鋼材15.2mm径
(株)テザックワイヤロープ(現神鋼鋼線工業(株)) 27人乗り業務用エレベータ シングルデッキエレベータ用ワイヤロープ
当社・機械事業部門 スカイツリー地区の熱供給施設 超高効率ヒーティングタワーシステム用水冷式ヒートポンプチラー(KHTシリーズ)
  1. NETIS(New Technology Information System)は、国土交通省が運用する、民間で開発された新技術を公共工事に活用していくためのデータベース。掲載期限は登録した日の翌年度4月1日から10年。VRは評価の結果、継続調査等の対象とする技術。活用効果調査表等10件で事後評価され、VE(事後調査不要=評価が確立)となる。

溶接事業

建築鉄骨分野における生産性向上と品質安定化を目的として、炭酸ガスアーク溶接に独自の電流波形制御を適用した低スパッタ溶接プロセス「REGARC™(レグアーク)」を開発し、2010年に鉄骨溶接ロボットシステムとして実用化・展開した。従来の炭酸ガスアーク溶接で課題となっていたスパッタ発生量を大幅に低減することで、手入れ作業の削減や溶接タクト短縮を実現した。さらに、当該プロセスに最適化した専用溶接ワイヤとの組み合わせにより、厚板・大入熱条件下においても安定した自動溶接を可能とし、深刻化する建設業界の人手不足への対応や鉄骨製作工程の高度化に2025年現在も貢献している。

低スパッタ溶接プロセス「REGARC™」を搭載した鉄骨溶接ロボットシステム

アルミ・銅事業

半導体・液晶製造装置、太陽電池パネル製造装置、ロボット・精密機械等の分野で使用されるアルミ厚板において、従来の「アルジェイド®」から平坦度や板厚交差を大幅に向上し、残留応力をさらに低減させた「アルジェイド®-Ⅱ」を2012年6月に販売開始した。

機械事業

圧縮機・ヒートポンプでは、2011年1月に世界初の「軸流式水冷媒冷凍機」の試作機を完成させた。HFC冷媒※2やCO₂、アンモニア等の代わりに、より高い環境性を有する自然冷媒である水を冷媒として採用し、装置の大幅な小型化も実現。当社と東京電力(株)(現東京電力ホールディングス(株))、中部電力(株)、関西電力(株)の4社で、デンマークエネルギー庁の支援等を得て、共同開発した。他にも、120℃を超える蒸気供給を可能にした高効率なヒートポンプシステム「スチームグロウヒートポンプ」の販売開始(2011年5月)、当社と三浦工業(株)が開発した圧縮熱回収蒸気駆動エアコンプレッサ「SDシリーズ」追加新機種の販売開始(2011年8月、2012年4月)、「スチームスターシリーズ」の新機種発売(2011年8月、12月)、業界最高効率の空気熱源温水ヒートポンプの販売開始(2012年4月)等、多くの特長ある製品を世に送り出した。

  1. ハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons)冷媒。フロン系冷媒の中でもオゾン層破壊係数がゼロの、いわゆる代替フロン。

世界で初めて自然冷媒である水を用いた「軸流式水冷媒冷凍機」

エンジニアリング事業

2010年4月にはベトナムで、当社独自の新製鉄法「ITmk3®」によるアイアン・ナゲット製造・販売事業の詳細企業化調査を開始した。また、2012年5月にはインドでのITmk3®によるアイアン・ナゲット製造の事業化を目指し、インド国営製鉄会社/Steel Authority of India Limitedと企業化調査のための合弁会社を設立した。

「ものづくり力」の更なる強化

この中期経営計画では、当社グループにおける「ものづくり」「ものづくり力」についてあらためて定義した。

  • ものづくり:競争力の源泉。「信頼される技術・製品・サービスの提供」を実践するための、「営業・マーケティング~開発・設計~調達~製造・生産」といったトータルの活動
  • ものづくり力:「“永続的に”信頼される技術・製品・サービスを提供する力」であり、成長のための「エンジン」

このものづくり力の強化にグループ全体で取り組むため、2010年4月から本社に「ものづくり推進部」を新設した。ものづくり推進部は、当社グループ全体のものづくりに関わる活動の支援を行うとともに、グループでの成果・指標の共有化や中長期的な課題の抽出等、各種施策を立案・推進し、ものづくり力の底上げと革新につなげていくことを目指した。

また、この期間に設立した製造拠点あるいは稼働した設備投資は、以下のとおりである(後述の「成長市場への進出深化」に記載の内容は除く)。

2010年7月 高砂製作所鍛圧南工場に1万tプレスライン増設(舶用製品の増産体制及び大型陸用製品の製造体制の整備)
2011年1月 日立金属(株)(現(株)プロテリアル)、(株)IHI、川崎重工業(株)と航空機等向け大型鍛造品を製造する日本エアロフォージ(株)設立
2012年10月 神戸製鉄所(現神戸線条工場)で新溶銑処理設備稼働(脱珪脱硫設備1基)。既存溶銑処理炉は脱りん処理専用とし、高効率プロセスを確立
2012年11月 高砂製作所の新リングミル工場が本格稼働
2013年1月 加古川製鉄所で厚板新熱処理炉の営業運転開始。熱処理能力がほぼ倍増

建設機械事業では、コベルコ建機(株)が生産体制を再編し、2012年5月に広島市五日市地区にグローバルエンジニアリングセンター(GEC)及び五日市工場を完成させた。GECは、コベルコ建機グループ全体の生産・開発の最適化を担う、ものづくりの心臓部の役割を果たす組織であり、開発スピードの向上、世界同一品質基準を満たしたものづくりの実現、変動費の削減を目指した。五日市工場には、祇園工場の中型油圧ショベルと沼田工場の大型油圧ショベルの生産機能を集約し、7~95tクラスの油圧ショベルを8,500台/年生産する能力を持つこととなった。なお、沼田工場は部品専用工場として再編された。

コベルコ建機のグローバルエンジニアリングセンター及び五日市工場(広島県広島市)

成長市場への進出深化① 中国・インドでの事業展開

成長市場への進出深化では、特に中国とインドでの事業展開を進めた。

中国

2011年1月に、神鋼商務諮詢(上海)有限公司に増資する形で中国における統括会社として神鋼投資有限公司を設立し、4月から営業を開始した。中国国内での効率的な資金活用、グループガバナンス・リスク管理の強化等を担い、中国におけるグループ総合力の発揮による収益拡大を目指した。

鉄鋼事業では、2011年9月に鞍山鋼鉄集団公司と自動車用冷延ハイテンの製販合弁会社設立の検討を開始した。アルミ・銅事業では2011年12月に中国の大手アルミ圧延メーカー/江蘇常鋁鋁業股份有限公司と事業提携し、内モンゴル自治区包頭市にアルミ板材の製造販売会社を設立することで基本合意したが、詳細検討の過程で両社の考え方に相違が生じたため、2012年12月に基本合意を解消した。

機械事業では、2011年5月に現地有力圧縮機メーカー/無錫圧縮機股份有限公司の株式44.3%を、神鋼投資有限公司を通じて取得した。これまで同社には、小型スクリュ圧縮機(1995年)や非汎用レシプロ圧縮機(2003年)の技術を供与していたが、プロセスガス圧縮機(スクリュ、タ-ボ、レシプロ)の技術供与を開始した。

この期間には、これらの他にも中国で以下の拠点設立等を行った。

2010年9月 三井物産(株)、豊田通商(株)と神鋼汽車鋁部件(蘇州)有限公司設立(2012年8月稼働)
2010年10月 コベルコクレーン(株)(現コベルコ建機(株))が中国の建設機械メーカー/四川成都成工工程机械股份有限公司と成都神鋼起重机有限公司設立(2012年3月操業開始)
2011年6月 神鋼物流(株)(現(株)コベルコロジスティクス)が神鋼国際貨運代理(上海)有限公司設立(9月開業)
2011年7月 神鋼圧縮機製造(上海)有限公司の生産能力増強工事が完工
2011年11月 神鋼特殊鋼線(平湖)有限公司の能力増強を決定(2012年7月順次稼働)
2011年11月 杭州神鋼建設機械有限公司の能力増強工事が完工
2012年1月 神鋼新确弾簧鋼線(佛山)有限公司設立(2013年2月稼働)

神鋼投資有限公司の開所記念式典(2011年5月)

インド

2010年11月にインド最大手建設エンジニアリング企業/Larsen & Toubro Ltd.と、ゴム混練機及びゴム二軸押出機の製造・販売会社/L&T Kobelco Machinery Pvt. Ltd.を設立。高砂製作所、米国Kobelco Stewart Bolling, Inc.、中国・益陽益神機械有限公司に続く、4番目のタイヤ・ゴム機械拠点となった(2012年1月稼働)。

他にも以下の拠点設立や能力増強を行い、インド進出も加速した。

2010年8月 コベルコクレーン(株)(現コベルコ建機(株))がKobelco Cranes India Pvt. Ltd.設立
2011年1月 Kobelco Construction Equipment India Pvt. Ltd.が操業開始(2011年4月本格稼働)
2011年6月 Kobelco Welding India Pvt. Ltd.設立
2013年4月 神鋼物流(株)(現(株)コベルコロジスティクス)がKobelco Logistics India Pvt. Ltd.設立

成長市場への進出深化② その他の事業展開

その他の需要拡大が見込まれる地域に向けて、以下の事業展開を行った。

溶接事業

2011年4月に韓国における溶接材料の営業体制の更なる構築に向けて、神鋼韓国溶接販売(株)を設立した。

2012年4月には、更なる成長が見込まれるASEAN地域全体として地域最適な事業運営を推進すべく、Kobe Welding(Singapore)Pte. Ltd.にASEAN地域の統括機能を持たせ、Kobelco Welding Asia Pacific Pte. Ltd.と改称した。

機械事業

圧縮機事業のグローバル展開を積極的に推進した(中国・インドでの展開は上述参照)。石油化学や天然ガスといった大規模プラント等に使用される当社の非汎用圧縮機は、欧州・中東を含めた世界各国で多くの納入実績がある。非汎用スクリュ圧縮機は世界シェア40%で、圧縮機事業の海外売上高比率は約60%(2011年度実績)と、グローバル化が進んでいた。

2011年4月には米国Kobelco Edti Compressors, Inc.の新工場建設が完了した。2009年8月から総投資額約2,000万ドルをかけて生産能力増強工事及び本社移転工事を行ってきた。新工場への移転に合わせて社名をKobelco Compressors America, Inc.に変更し、北米・南米展開の中心的役割を担わせた。欧州では、ドイツにKobelco Machinery Europe GmbH(現Kobelco Europe GmbH)を2012年7月に設立し、営業、マーケティング、アフターサービス、調達等の機能を強化した。さらに中東でも同月にKobelco Machinery Middle East FZE.をドバイに設立し、アフターサービス機能を充実させた。

Kobelco Compressors America, Inc.(米国カリフォルニア州)

建設機械事業

2012年12月に、当社とコベルコ建機(株)はオランダCNH Global N.V.とのグローバルアライアンス(全世界包括提携)を解消した。提携契約は、2002年1月から10年間を実施期間と設定していたが、3社合意のもとで提携契約を更新せず、2012年12月末日をもって解消することを決定。コベルコ建機(株)は2013年1月より、北米・欧州・南米・中東・アフリカ・CISエリアにおいても、独自で販売・サービス活動の展開が可能になった。

グループ総合力の発揮

グループ総合力の発揮に向けて、組織改正や神戸本社ビルの移転、関係会社の再編等を実施した。

社内カンパニー制から事業部門制へ

2010年4月には、グループ総合力を発揮するための施策として、社内カンパニー制を廃止し、事業部門制を導入した。社内カンパニー制は1999年に導入され、各事業が個々の利益の最大化を追求することによって、グループ全体の利益拡大を図ってきたが、これ以降は事業間の垣根を低くし、本社がグループ内での情報共有や人材育成、人材の流動化等によりグループ全体をサポートする機能を果たすことで、グループ全体の利益を第一に考える体制を目指した。

「鉄鋼部門」を本社から分離し「鉄鋼事業部門」、「溶接カンパニー」「アルミ・銅カンパニー」をそれぞれ「溶接事業部門」「アルミ・銅事業部門」とした。「機械エンジニアリングカンパニー」は、「機械事業部門」と「資源・エンジニアリング事業部門」に再編し、「資源・エンジニアリング事業部門」には、本社組織であった新鉄源本部、石炭エネルギー本部、原子力・CWD本部(Chemical Weapons Destruction:遺棄化学兵器廃棄処理)が組み込まれた。

神戸本社ビルの移転

当時の神戸本社ビル(神鋼ビル:1986年竣工、神鋼ビルネオエスト:1996年竣工)が、2013年3月末で賃貸借契約の期間満了を迎えることを踏まえ、グループ会社が集う本社ビルの建設を決定した。個々の企業の持つ情報や知見を交換・融合することで、これまで以上にグループ総合力・シナジーを発揮させ、「KOBELCO VISION“G”」の具現化を強力に進めることを目指した。

新本社ビルは、防災対策や自然環境へ配慮した構造を採用し、神戸市のHAT神戸の当社所有地に建設された(敷地面積約6,700m²、地上9階、高さ約50m、延床面積約2万3,000m²)。2011年12月に着工、2013年2月に完成し、当社グループ13社・団体の約1,400人が入居した。

事業ポートフォリオの見直し

この期間には、グループ会社の統合や譲渡を進めるなど、以下の再編を行った。

2010年10月 完全子会社であった神鋼タセト(株)を吸収合併
2011年4月 完全子会社であったKOBEウェルディングワイヤ(株)を吸収合併(当社の福知山工場となった)
2011年10月 コベルコビジネスサポート(株)に、(株)コベルコパーソネルの人材派遣関連事業を除く人事・給与サポート事業及びキャリアデザイン事業を継承
2011年10月 (株)神鋼エンジニアリング&メンテナンス(現(株)コベルコE&M)が神鋼総合サービス(株)を吸収合併
2011年11月 (株)コベルコパーソネルの株式80%をテンプスタッフ(株)へ譲渡
2012年4月 神商コウベウエルディング(株)とエヌアイ・コウベ・ウエルディング(株)を統合し、(株)コベルコ溶接ソリューション設立
2012年10月 サン・アルミニウム工業(株)を東洋アルミニウム(株)に譲渡

社会への貢献

当社は地域交流施設として、製鉄・発電・エネルギー・環境をテーマとした施設である灘浜サイエンススクエア(2004年オープン)、健康温浴施設の灘浜ガーデンバーデン(2002年オープン)、スポーツ施設の灘浜スポーツゾーン(2002年オープン、2024年10月にKOBELCOスポーツパーク灘浜スポーツゾーンに改称)を運営しており、地域住民を中心に幅広く利用されてきた。2012年10月には3施設の合計累計来場者数が150万人を達成した(灘浜サイエンススクエアは2025年8月、単体で来館者100万人達成)。

2011年11月には、当社とグループ会社、全神戸製鋼労働組合連合会が、「KOBELCOの森」の名称で森林整備活動を開始した。兵庫県が提唱する「ひょうご『企業の森づくり』」制度の趣旨に賛同したもので、地域の環境保全への貢献とグループ社員の環境意識の普及・啓発の機会となっている。

灘浜サイエンススクエア(兵庫県神戸市)

東日本大震災と当社グループ

当社グループの被災状況

2011年3月11日、東日本大震災が発生した。大規模な津波は、死者・行方不明2万2,325人、住家被害(全壊、半壊、一部破損、床上浸水、床下浸水)116万7,377棟(総務省消防庁『令和6〈2024〉年版 消防白書 資料編』)、さらに福島第一原子力発電所事故という被害をもたらし、避難者数も最大約47万人に及んだ(復興庁「東日本発災10年ポータルサイト」)。

当社は被災地域に真岡製造所(栃木県)、藤沢事業所(神奈川県)を有していたが、社員の人的被害はなかった。両拠点とも地震直後に操業を停止して各設備の点検を行ったが、致命的な被害はなく、真岡は3月18日、藤沢は3月14日から順次操業を再開した。グループ会社では、高周波鋳造(株)(青森県)の一部の設備に被害が生じ、さらに停電等の影響から操業を停止したが、3月22日より約70%操業、4月20日には通常操業に戻した。

被災地への復興支援

当社グループは、1995年の阪神・淡路大震災で被害を受けた企業として全国から温かいご支援をいただいたことを踏まえ、グループを挙げて復旧・復興支援に取り組んだ。2011年3月17日には、義援金2億円の寄贈と、建設機械等1億円相当の救援物資の提供を表明した。また、移動電源車を製造する神鋼造機(株)は被災地に技術者を派遣し、移動電源車運用の技術支援にあたるなど、ライフライン復旧に貢献した。

福島第一原子力発電所事故からの復興支援

当社は、原子力発電所向けの大型金属キャスク(使用済み燃料輸送・貯蔵容器)の製造で、種類・基数ともに世界トップの実績を有していたことに加え、放射性廃棄物の処理・処分・貯蔵分野に関する事業を通じて原子力関連の技術・知見を保有しており、福島第一原子力発電所の事故からの復興に向けてグループ会社と連携して2025年現在に至るまで取り組んでいる。

2012年8月には、当社と(株)神鋼環境ソリューション、地方共同法人日本下水道事業団、(株)三菱総合研究所の4者で「長期保管された放射性物質含有下水汚泥の焼却実証実験に係る調査業務」を受託し、2013年9月から2014年3月までの運転期間において、下水汚泥等1万7,734tを焼却した。

2013年2月には(株)神鋼環境ソリューション及びトランスニュークリア(株)と共同で、「福島第一原子力発電所内(以下1F)で発生する作業員の装備品等を焼却する設備の建設(雑固体廃棄物焼却設備)」を受注するとともに、「1F内の燃料プールに保管されている使用済み燃料を貯蔵する金属キャスクの納入」を開始した。また、同年11月には、(株)神鋼環境ソリューションと、福島県の汚染廃棄物対策地域内の廃棄物処理業務第1号案件である「平成25年度(平成24年度繰越)飯舘村小宮地区対策地域内廃棄物処理業務(減容化処理)」を受注した。2014年11月に開始した仮設焼却施設の運営業務は、2017年3月に完了した。2014年9月に日立造船(株)(現カナデビア(株))、(株)安藤・間との特定共同企業体で受注した、「浪江町対策地域内廃棄物処理業務(減容化処理)」は、2015年6月から仮設焼却施設の運転を開始。2025年2月の作業完了まで37万4,811tを焼却処理した。前述の雑固体廃棄物焼却設備は、1F内で発生する作業員の装備品等の放射性廃棄物を減容するための焼却設備として2016年に建設・竣工し、2025年現在も安定操業を継続している。

神鋼造機(株)の移動電源車(左)と、福島第一原子力発電所に納入した当社のキャスク

他社との連携強化

新日本製鐵(株)、住友金属工業(株)とは、引き続き3社連携を継続した。新日本製鐵(株)と当社は2010年5月に製鉄ダストリサイクルプラントの建設に着手し、2011年10月に営業運転を開始した。2012年10月には新日本製鐵(株)と住友金属工業(株)が合併して新日鐵住金(株)(現日本製鉄(株))が誕生したが、連携はそれ以降も継続した。

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