2005~2025年度の歩み

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20132015年度

基軸

― 素材・機械の基盤再構築と次代への布石 ―

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素材・機械の構造改革と電力事業拡大

経営基盤の再構築① 鉄鋼事業の収益力強化

生産現場レベルでのコスト削減、原料コスト改善、固定費削減等のあらゆる収益改善策の実施に加えて、溶銑予備処理設備等のスムーズな立ち上げにより、2013~2015年度の3年間で600億円の収益改善を目指した。

2014年4月に約300億円を投じた加古川製鉄所の新溶銑処理設備が稼働を開始した。溶銑処理は硫黄やりんといった不純物を除去するプロセスで、高い清浄度が要求される特殊鋼線材・条鋼、自動車用ハイテン及びエネルギー向け厚板等の製造には必須のプロセスである。新設備は、機械撹拌式脱硫設備(Kanbara Reactor:KR)2基及び脱りん炉1基を有し、既存設備と合わせてほぼ全量溶銑処理が可能となるとともに、副原料の使用量削減と歩留の改善を実現した。

2015年5月には2基目のガスタービン・コンバインドサイクル(Gas Turbine Combined Cycle:GTCC)方式高効率自家発電設備が稼働した。2009年より老朽化した自家発電所のボイラ缶(石炭焚き1缶、ガス焚き5缶)を順次解体・撤去し、ガス焚きボイラ2缶、GTCC2基に設備更新した。GTCC燃焼装置の性能改善や燃焼制御・監視技術の向上等により、発熱量の低い燃料での安定稼働を実現。発電効率の向上によるコストダウンに加えて、年間41万tのCO₂削減を見込んだ。

このほか、加速冷却を行うことでより強度を高めることができる厚板加速冷却設備の改造等も含めた設備投資効果や、生産現場でのコスト削減、原料コスト改善、固定費削減等により、目標未達とはなったものの420億円の収益改善を達成した。

加古川製鉄所に誕生した新溶銑処理工場(左)と2基目のGTCC

経営基盤の再構築② 成長分野・地域での販売量確保(素材系事業の取組み)

成長分野・地域での販売量確保については、これまで進めてきた海外の製造拠点の整備等を最大限活用するとともに、成長分野に向けた製品開発や営業力強化に取り組んだ。なお、本項目においては、「収益の『安定』と事業の『成長』に向けた布石」に資する施策も含め、素材系事業の取組みを記載する。

鉄鋼事業

自動車用ハイテンに関しては、2013年5月に米国PRO-TEC Coating Companyで、新たに自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備(Continuous Annealing Line:CAL、生産能力50万ショートトン/年※1)が営業運転を開始した。引張強度590MPa以上のハイテンに加え、780MPaや980MPa以上の超ハイテン生産も視野に入れ、北米市場での拡販を狙った。2014年8月には、中国・鞍山鋼鉄集団公司の子会社/鞍鋼股份有限公司と自動車用冷延ハイテンの製造・販売を目的とした合弁会社/鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司を設立した。生産能力60万t/年の連続焼鈍設備を備えて2016年4月に開業し、これにより薄板ハイテンの日・米・欧・中でのグローバル供給体制を整えた。

線材・条鋼分野では、2014年9月に、神鋼商事(株)、(株)メタルワン、大阪精工(株)、メキシコGrupo Simec, S.A.B.de C.V.、米国O&k American Corp.との合弁による、線材二次加工会社/Kobelco CH Wire Mexicana, S.A.de C.V.(KCHM)をメキシコに設立。2016年1月に生産開始したKCHMは、CHワイヤを4万t/年生産する能力を備え、現地の自動車部品メーカーを中心に供給している。中国においては、2015年7月に自動車用ボルト・ナット、軸受製品等に採用されるCHQワイヤ・軸受鋼ワイヤの製造・販売会社/神鋼特殊鋼線(平湖)有限公司(KSP)で伸線機や熱処理炉を増設し、2012年に続く能力増強を図った(約2,500t/月→約3,500t/月)。KSPでは2015年11月にも約4,900t/月を目指す能力増強を決定し(2017年7月稼働)、同じく線材二次加工会社/江陰法爾勝杉田弾簧製線有限公司でも2016年2月に熱処理設備や伸線機の能力増強を決定した(2016年10月稼働、650t/月→1,070t/月)。また、2016年2月にはタイMillcon Steel Public Company Limitedと線材の圧延及び販売を目的とした合弁会社/Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.を設立した。線材圧延では唯一の海外製造拠点であり、グローバル供給体制の深化と成長が見込まれる東南アジアの需要捕捉を狙った。

製品開発・受注については、鋳鍛鋼事業において、2013年8月に船舶用ディーゼルエンジン用組立型クランクシャフトの新製造法「型入れ鍛造法」を開発し、実用化した。環境規制の強化を背景に「エコシップ」に対するニーズが高まり、船舶用ディーゼルエンジンでは低回転域において高出力を発揮するロングストローク化がトレンドとなった。当社は製鋼から加工まで一貫して対応できるメーカーである特長を活かし、鋼の清浄化と型入れ鍛造法の組み合わせで、疲労強度を従来比で約20%向上することで、ロングストローク化に対応するクランクスローとして高い信頼性を実現し、軽量化を可能にした。また、2015年8月には、船舶用鋳鍛鋼品でエンジンの動力をプロペラシャフトに伝える高強度中間軸を開発し、世界で初めて上市した。当社は、高清浄度鋼製造技術を背景にTS950N/mm²クラスまでの高強度中間軸材を当時唯一製造可能であり、この高強度中間軸は一般財団法人日本海事協会から国際船級協会連合へ提案され、統一規則として国際規格に採用された。

チタン事業では、2013年6月にプレート式熱交換器向けの高伝熱チタン板を開発し、沖縄県久米島における発電利用実証事業で使用される海洋温度差発電※2設備の熱交換器用に供給した。また、2014年12月に発売されたトヨタ自動車(株)の燃料電池車「MIRAI」に燃料電池スタックのセパレータ用特殊チタン圧延材が採用されるなど、当社製品の高い性能が評価されての受注が続いた。

  1. 1ショートトンは2,000ポンドで、質量に換算すると約907.18kgである。米国では、英国由来の度量衡を基礎とする米国慣用単位系(ヤード・ポンド系)が用いられており、1875年のメートル条約締結後も、社会・産業インフラが同単位系を前提として構築されていたこと等から、現在も日常や産業分野で広く使用されている。
  2. 海洋温度差発電は、海洋深層水と表層水の温度差を利用してアンモニア等低沸点の媒体を気化させ、その蒸気でタービンを回転させることで発電する再生可能エネルギー技術。

PRO-TEC Coating Company(米国オハイオ州)の連続焼鈍設備(CAL)

アルミ・銅事業

自動車サスペンション用アルミ鍛造品に関しては、2013年4月に中国・神鋼汽車鋁部件(蘇州)有限公司で能力増強工事が完了し、量産稼働を開始。溶解鋳造から鍛造・熱処理までの一貫生産体制を確立した。米国Kobe Aluminum Automotive Products, LLC(現Kobelco Aluminum Automotive Products, LLC)においても2014年8月に能力増強工事が完了し、2015年9月には溶解鋳造1ライン・鍛造プレス2基等を新たに導入することが決定。2017年以降に順次稼働を開始して溶解鋳造3ライン・鍛造プレス8基体制とした。

自動車パネル用アルミ板材に関しては、2014年1月、中国に神鋼汽車鋁材(天津)有限公司(生産能力10万t/年)を、日系アルミ圧延メーカー初の中国におけるアルミパネル材の現地製造拠点として設立した(2017年5月開業式典)。

銅板事業では、2014年5月にドイツ伸銅メーカー/Wieland-Werke AGに、自動車向け端子コネクタ用銅板条に施す錫めっき技術「新リフローめっき」※3のライセンスを供与した。グローバル供給体制確立と当社が開発した合金やめっき技術の世界標準化が目的であった。

アルミ押出事業では、2014年11月に(株)日立製作所のグループ会社/日立レールヨーロッパ(英国)から都市間高速鉄道計画向け鉄道車両構体用のアルミ押出形材のほぼ全量を受注した(866両)。

  1. 通常の錫めっき後、さらに熱処理を施し、錫めっきの欠点である表面のウィスカー(結晶)発生抑制と、硬い銅錫合金の部分的な表面化による低挿入力実現を達成。

Kobe Aluminum Automotive Products, LLC(米国ケンタッキー州、現Kobelco Aluminum Automotive Products, LLC)

溶接事業

一般財団法人日本海事協会、(株)新来島どっくと共同開発し、2014年4月に発売した水平すみ肉溶接用フラックス入りワイヤ「FAMILIARC™MX-200F」は、造船分野における、水平すみ肉溶接の作業効率と塗装性の向上が期待できる製品として注目された。

経営基盤の再構築③ 体質強化活動/④ 財務体質の改善

体質強化活動では、緊急措置として一時休業の実施、役員報酬・管理職年俸をカット(2012~2013年度)するとともに、固定費削減、調達コスト削減、工場・ものづくり力強化等を実施し、2013年度の黒字化につなげた。

財務体質の改善については、3年間で1,200億円のキャッシュ・フロー創出という目標に対し、棚卸資産の削減、債権流動化の推進、資産売却、投資の厳選等で1,800億円を創出した。なお、資産売却の中には、経営統合により出資が拡大したことを踏まえて新日鐵住金(株)(現日本製鉄(株))への出資を見直して、保有株式の半数を売却したことも含まれた。また、2013年度には鉄鋼事業及びアルミ・銅事業における自動車分野での設備投資を含む戦略投資資金や、「鉄鋼事業の収益力強化」と「鋼材事業の構造改革」のための設備投資資金に充当するため、公募増資を実施した。公募による新株式発行及び自己株式の処分等合わせて836億円を調達し、財務体質の更なる強化と中長期的な収益向上へ寄与する設備投資を両立させた。栃木県真岡市における電力供給事業に関する資金調達についても、2016年1月に新設した(株)コベルコパワー真岡を事業主体としたプロジェクトファイナンス(調達金額約760億円)を組成することで、財務基盤の維持・強化を図った。

経営基盤の再構築⑤ 継続的取組み

経営基盤の再構築では、ものづくり力、技術開発、人材育成、コンプライアンスの徹底と社会への貢献等に継続的に取り組んだ。

ものづくり力、技術開発

生産現場への研究開発の関与を強化し、品質改善・省エネルギー・生産性向上といった課題解決を通じて、ものづくり力の向上及び収益改善による事業基盤の強化に貢献した。また、異なる金属を接合するマルチマテリアルに関する専門部署を立ち上げ、鉄・アルミ・接合をかけ合わせるKOBELCOならではのマルチマテリアル技術開発を加速させた。

人材育成、多様な人材の活躍推進

2014年9月に女性社員の活躍促進に向けた取組み内容を決定し、取組みを実行する組織として「ダイバーシティ推進室」を新設した。具体的な取組みとして、①女性社員のネットワーク形成支援、②早期の能力引き出し支援、③育児休業からの早期職場復帰希望者への経済的支援、④配偶者の転勤等を理由とする休職制度や再雇用制度の新設、⑤職場風土変革を目的とした職場リーダー向けコミュニケーション研修等を実施した。そのほか、総合職採用では女性比率を倍増(事務系30%、技術系10%)することとした。これらの取組みにより、当社は2016年3月に「なでしこ銘柄」に選定された。

また、女性活躍推進の取組みに加え、外国籍社員や障がいのある社員を含めた多様な社員の活躍促進にも取組みを拡大した。

社会への貢献

従来行ってきた森林整備活動や、神戸市内の児童館への「出前エコ教室」等の活動を深化させる形で2013年度に「KOBELCO GREEN PROJECT」を創設し、そのシンボル事業として「KOBELCO森の童話大賞」を開始した。これは小中高生を対象とする「森」をテーマにした創作童話コンテストで、金賞作品は絵本化して学校・図書館等に寄贈している。

また、2014年8月に発生した豪雨による広島市土砂災害被災地域に対し、当社グループとして総額1,000万円相当の支援を行った。

第1回KOBELCO森の童話大賞の金賞作品

収益の「安定」と事業の「成長」に向けた布石① 鋼材事業の構造改革

2017年度をめどに神戸製鉄所(現神戸線条工場)の上工程設備の休止及び加古川製鉄所への集約を行うこととした。これに伴い、加古川製鉄所に最新鋭のブルーム連続鋳造設備と溶鋼処理設備の新設、分塊圧延機の能力増強等を行い、これら一連の設備投資により年間150億円程度のコストダウン効果を見込んだ(第5章参照)。

また、2014年5月には加古川製鉄所の第3高炉の改修・再稼働を2016年に実施することを決定し、2015年8月には更なるコストダウン投資として、溶銑処理能力の増強(2基目の脱りん炉建設)も決定した。

収益の「安定」と事業の「成長」に向けた布石② 機械系事業の戦略的な拡大

機械事業

圧縮機事業のグローバル展開の強化にあたり、2013年11月にブラジルに非汎用圧縮機のマーケティング・営業・アフターサービス会社/Kobelco Machinery do Brazil Ltda.を設立した(2014年6月営業開始)。石油精製・石油化学プラント建設が盛んな同国の需要をはじめ、南米市場をカバーする拠点とした。アジアでは、2015年7月にタイに汎用圧縮機のマーケティング・営業・アフターサービス会社/Kobelco Compressors(Thailand)Ltd.を設立(2016年1月営業開始)、2015年9月にインドにも同様の役割を担うKobelco Compressors India Pvt. Ltd.を設立し(2015年11月営業開始)、アジア市場の深耕を図った。

また、2015年12月には中国におけるタイヤ・ゴム機械・樹脂機械等の営業・アフターサービス拠点/神鋼産機系統工程(青島)有限公司を設立した。中国での自動車用タイヤの需要拡大及びアフターサービスのニーズの捕捉を狙った。

成長を期待した水素ステーション関連では、水素ステーション用高圧水素圧縮機「HyAC」とマイクロチャネル熱交換器「DCHE(Diffusion-bonded Compact Heat Exchanger)」が、2014年1月に東京ガス(株)練馬水素ステーション向けに採用された。2014年4月には、水素ステーション普及に向けたパッケージ型水素ステーションユニット「HyAC mini」の販売も開始。2016年3月には高砂製作所内に「水素ステーション総合テストセンター」を設置し、運転パターン検証や充填シミュレーションが可能な体制も整えた。

新製品等の開発・受注については、2013年8月に世界最高の冷凍効率※4と世界最高の冷凍能力(400kW級)を持つ二段圧縮型インバータ式産業用冷凍機「IZN440TUA」を開発し、アジアの食糧生産・輸出国需要に対応した。2014年4月には、関西電力(株)、東京電力(株)(現東京電力ホールディングス(株))と共同開発※5した、水熱源・空気熱源負荷追従自動制御型温水ヒートポンプ「HEM-3WAY」の販売を開始。世界で初めて最高85℃の温水と冷水の同時供給と、冷水の使用負荷に影響されない温水の安定供給が可能であり、また従来のガスボイラと冷凍機の組み合わせに比べ、約6割の省エネルギーを実現した。2015年4月にはマルタ島LNG受入基地Delimara LNG Regasification Terminalの再ガス化基地向けにLNG気化器「IFV」※62基を受注し、従来は気化後に廃棄されていた冷熱エネルギーの再利用ニーズに応えた。2015年5月には、東京ガス(株)、三菱重工業(株)、三浦工業(株)とガスエンジンの廃温水を蒸気として高効率に回収するコージェネレーションシステムを共同開発した。当社のスクリュ式小型蒸気圧縮機が採用され、4社の強みのかけ算により電力と蒸気を合わせた総合効率で約71%を達成した。

  1. 冷凍能力(kW)÷消費電力(kW)で求めるCoefficient Of Performance(COP)で1.63。
  2. 当社は高圧縮比・高温対応スクリュ圧縮機等を担当。
  3. Intermediate Fluid LNG Vaporizerを略した気化器の製品名。主に海水等を気化熱源として用い、プロパン等の中間媒体を介してLNGを気化させる。浸食や腐食に強いチタンを伝熱管に採用し、大量の砂や重金属イオンを含んだ悪質な海水にも対応できる点が特長。

南米市場でも拡販を図った非汎用スクリュ圧縮機(参考写真)

エンジニアリング事業

MIDREX™プロセスをはじめ、エンジニアリング事業全体で海外案件が進展した。

2013年7月 Siemens Industry Sectorの米国現地法人/Siemens Industry Inc.とのコンソーシアムで、オーストリアvoestalpine AGからMIDREX™プラント受注
2014年2月 ルクセンブルクのエンジニアリング会社/Paul Wurth S.A.とMIDREX™プロセスに関して、建設ライセンス契約締結
2014年5月 米国Synthesis Energy Systems(SES)及び中国Tianwo-SES Clean Energy Technology Co, Ltd※7と、中国でのマーケティング契約締結(MIDREX™プロセスとSESの石炭ガス化技術をセットに、中国及びその周辺国のマーケティング活動が可能となった)
2015年6月 Paul Wurth S.A.とのコンソーシアムにより、トルコTosyali Holdingがアルジェリアで建設中のTosyali Algeria製鉄所向けMIDREX™プラント受注
2016年1月 英国 Primetals Technologies Limited、カナダSociété Internationale Métallique(Canada)LtéeとMIDREX™方式を採用した還元鉄プラント建設に係る事前設計覚書締結

また、2014年4月には、インドのエンジニアリング会社/FLSmidth Private Limitedと、当社が保有する鉄鉱石の事前処理技術「KOBELCOペレタイジングシステム」に関するライセンス契約を締結した。同システムは、鉄鉱石を粉砕し丸めたペレットを傾斜した回転型焼成炉(ロータリーキルン)で球状に焼き固める事前処理技術であり、同システムで製造されたペレットは、高炉やMIDREX™プラントの原料として使用される。当社独自に改良したグレートキルン方式を採用しており、他のプロセスと比較し高品質なペレットの量産が可能。本契約により、両社協業でインド国内外のマーケティング等が可能となった。

2015年4月には三井物産(株)、東洋エンジニアリング(株)及び同社インドネシア関係会社/PT. Inti Karya Persada Tehnikとの4社連合で、インドネシア初の地下鉄となるジャカルタ都市高速鉄道南北線向け鉄道システム一式・軌道工事(15.7km、13駅)を約250億円で受注した(2019年4月営業運転開始、第5章参照)。

(株)神鋼環境ソリューション及びベトナム現地法人/Kobelco Eco-Solutions Vietnam Co., Ltd.(2010年11月設立)は、この期間にベトナムで日本の省エネ技術を適用した水供給設備(2015年9月)等の水処理関連設備を受注した。国内では廃棄物処理事業で、いずれも2016年2月に「エネルギー回収施設(川口)建設及び運営事業」(山形広域環境事務組合)、「新ごみ中間処理施設整備運営事業」(上伊那広域連合)といった流動床式ガス化溶融炉※8の案件を受注した。

  1. SESと中国における高圧容器のリーディングカンパニー/張家港化工機械股份有限公司との中国での合弁会社。
  2. ごみ処理方式の一つ。流動する砂を用いてごみをガス化、空気と反応させ灰にし、さらに高温溶融によりスラグ化する。化石燃料を使用せず、ごみの保有するエネルギーのみで溶融可能。高温高圧ボイラによる高効率発電が可能である。

独自技術であるKOBELCOペレタイジングシステムで製造したペレット

建設機械事業

2012年12月にCNH Global N.V.とのグローバルアライアンスを解消し(第3章参照)、欧米市場へ単独で再参入を開始した。

2013年に米国で販売・サービス会社/Kobelco Construction Machinery U.S.A. Inc.(KCMU)を設立。欧州でもオランダに販売・サービス会社/Kobelco Construction Machinery Europe B.V.を開設し、順次販売・流通網を拡充させた。また、2015年1月にKCMUに組み入れる形で北米工場建設を決定し、同年5月に着工のうえ、2016年3月より操業を開始した。

Kobelco Construction Machinery U.S.A. Inc.の工場起工式(2015年5月)

収益の「安定」と事業の「成長」に向けた布石③ 電力供給事業の拡大

電力供給事業の拡大については、真岡製造所の隣接地におけるガス火力発電所の新設、及び神戸製鉄所(現神戸線条工場)の上工程設備跡地における石炭火力発電所の増設に向けた活動を展開した。

国内初の本格的な内陸型火力発電所となる真岡発電所は、発電した電力全量を東京ガス(株)に販売することで2014年3月に基本合意し、同年9月に同社への電力供給契約を締結した。2015年6月には、津波被害リスクの低い内陸部に立地する点等が評価され、同発電所建設計画が内閣官房『国土強靭化 民間の取組事例集』に選定された。この中期経営計画期間から環境アセスメント手続きを計画どおり進め、2019年及び2020年の営業運転開始につなげた(第5章参照)。

一方、神戸製鉄所(現神戸線条工場)における石炭火力発電所増設については、関西電力(株)の火力電源入札に当社は応札し、2015年2月に落札した。同年3月には電力受給契約を締結した。

収益の「安定」と事業の「成長」に向けた布石④ 経営プラットフォームについて

この期間も以下の事業ポートフォリオの見直し等を行った。

2013年4月 (株)神鋼エンジニアリング&メンテナンス(現(株)コベルコE&M)を完全子会社化
2015年5月 コベルコ建機(株)とコベルコクレーン(株)の統合検討を開始
2015年7月 簡易株式交換によりコベルコ建機(株)を完全子会社化
2016年4月 エヌアイウエル(株)の株式80%を神鋼商事(株)に譲渡するとともに、同社はエスシーウエル(株)へ社名変更

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