2005~2025年度の歩み

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20162020年度

再起

― 品質事案とガバナンス再構築 ―

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3本柱事業の成長戦略と経営基盤の強化

3本柱の事業成長戦略 素材系事業① 輸送機軽量化への取組み

自動車分野については、燃費・CO₂排出規制の厳格化が進むとともに安全性向上への対応も求められていた。これらに有効な対応策であるHV・PHEV・EV・FCVは、バッテリー等装備が増えることに加え、安全対応装備やボデー骨格の強化等も車体重量の増加は避けられないため、自動車軽量化に対するニーズが加速していた。

当社グループは、軽量化効果とコストのバランスに優れた超ハイテン・アルミ素材の競争力強化に加え、マルチマテリアル化を実現する当社独自のソリューション技術(異材接合技術等)を武器として、グローバル市場でのシェア拡大を通じ、自動車分野における成長を確固たるものとすることを方針とした。

当方針に基づき、この期間に以下の自動車軽量化に係る戦略投資を実行した。

時期 概要 投資額
2016年4月 自動車バンパー・骨格材用アルミ押出・加工品製造・販売会社/Kobelco Aluminum Products & Extrusions Inc.(KPEX)設立(2018年11月稼働開始) 約4,670万ドル
2017年4月 Kobe Aluminum Automotive Products, LLC(現Kobelco Aluminum Automotive Products, LLC)におけるアルミ鍛造サスペンション生産設備の増強(7期)決定 約5,300万ドル
2017年5月 真岡製造所におけるアルミパネル材製造設備の増強決定 約200億円
2017年9月 PRO-TEC Coating Company(PRO-TEC)における超ハイテン製造設備の増設決定(3基目のCGL、Continuous Galvanizing Line:連続溶融亜鉛めっき設備) 約4億ドル
(PRO-TECによる資金調達)
2017年9月 Novelis Korea Limitedとの韓国での合弁会社/Ulsan Aluminum, Ltd.設立 約3億1,500万ドル
2018年4月 加古川製鉄所で超ハイテン製造設備(第3CGL等)の新設決定(2021年3月稼働開始) 約500億円
2018年12月 KPEXにおける押出・加工品生産設備の増強決定 約4,200万ドル
  投資額合計 約1,600億円

航空機分野では、アジアを中心に大幅増が見込まれていた運航機数(2014年1万9,900機→2034年予測3万7,100機)を踏まえ、国内完結型サプライチェーンを構築し、成長市場であるアジア圏でのプレゼンスを高める計画とした。具体的な成果として2016年7月にSafran Landing Systemsに航空機の着陸装置向けチタン大型鍛造品の量産供給を開始し、続いて2017年1月には(株)IHIに航空機の大型エンジン向けチタン鍛造品(シャフト)の量産供給を開始した。これらは日本エアロフォージ(株)にて鍛造を行い、それ以外の工程や製品の設計、品質保証は当社が担う形であった。

加古川製鉄所で稼働した第3CGL(連続溶融亜鉛めっき設備)(2021年3月)

3本柱の事業成長戦略 素材系事業② 鉄鋼事業の収益力強化

鉄鋼事業の収益力強化に向けては、2013年度に意思決定した上工程の加古川製鉄所への集約を進めた。2016年12月には、同年9月からの加古川製鉄所第3高炉(出銑能力1万700t/日)※1の改修工事が完了し、再稼働させた。改修作業は、従来と異なり、高炉本体の鉄皮を継続使用(炉底耐火レンガは全面更新)する手法により、約90日間という短工期を実現した。この改修では、AI(人工知能)による安定操業を実現するシステムも導入した。原料装入装置も改良し、低廉原料の一層の使用拡大によるコストダウンも可能としている。2017年1月には第6号連続鋳造工場新設及び第2分塊工場増強(加熱炉を1基→2基)が完了し、上工程全体の能力を増強した。

これらを踏まえ、2017年10月末には、1959年の高炉火入れから続いてきた神戸製鉄所(現神戸線条工場)の上工程設備を休止し、加古川製鉄所への集約を完了した。加古川製鉄所の稼働率を向上させ、年間約150億円のコスト削減を見込んだ。神戸製鉄所は、加古川製鉄所から半製品の供給を受け、特殊鋼線材・棒鋼の生産に集中することとなり、2020年4月には組織上も神戸製鉄所を加古川製鉄所に統合、神戸線条工場と改称した。

また、2017年9月には2基目の脱りん炉の稼働を開始するなど、追加収益改善策の実行も進めた。

  1. 同高炉は、1996年4月から20年5ヵ月という国内大型高炉の最長寿命を達成して2016年9月に停止し、改修工事を実施した。

休止の翌月に神戸製鉄所(現神戸線条工場)で実施された上工程休止式(2017年11月)

3本柱の事業成長戦略 素材系事業③ その他の取組み

当社グループの製鉄工程におけるCO₂低減ソリューション

2020年10月にエンジニアリング事業と鉄鋼事業の技術をかけ合わせ、高炉工程でのCO₂排出量を大幅に削減できる技術の実証に成功した。加古川製鉄所の高炉で、MIDREX™プロセスのHBI(Hot Briquetted Iron:熱間成形還元鉄)を多量に装入し、高炉からのCO₂排出量を決定づける還元材比について、518kg/t-溶銑から415kg/t-溶銑へと安定的に低減できることを確認した。これにより高炉工程におけるCO₂排出量を約20%削減できる(2013年度比)。このソリューションでは、エンジニアリング事業におけるミドレックスHBI製造技術、鉄鋼事業の高炉へのHBI装入技術、AIを活用した操炉技術※2、当社独自のペレット改質技術がキーテクノロジーとなっている。

このソリューションはその後、国内初の低CO₂高炉鋼材「Kobenable® Steel」の販売(2022年5月、第6章参照)や、さらにCO₂排出削減量を25%まで高める(2023年4~6月に実証試験)など、カーボンニュートラル(CN)の実現に貢献する技術として発展を遂げていく。

  1. コークス使用量・CO₂排出削減と安定操業を実現する「AI操炉®」構想の一環で2020年9月に加古川製鉄所第2高炉で運用を開始した「AIによる高炉の炉熱予測システム」(5時間先の溶銑の温度が自動かつ高精度で予測可能)の応用であった。

独自技術をかけ合わせて誕生した「製鉄工程におけるCO₂低減ソリューション」

NCチタン

トヨタ自動車(株)が2020年12月にフルモデルチェンジした燃料電池車「MIRAI」にNC(Nano-Carbon composite coat)チタンが採用された。2014年に発売された初代MIRAIのセパレータ(燃料電池内で燃料ガスや空気を遮断する役割を果たす板状の部品)にも当社の特殊チタン圧延材が採用されていたが、プレス成形後に導電性を付与する表面処理工程が必要で、生産性に課題があった。これに対し、チタンの酸化被膜中に導電体であるナノサイズのカーボンを分散含有した表面層を形成したチタン材料の開発・量産を実現し、2代目MIRAIの燃料電池スタックのセパレータに採用された。

コイル状のNCチタン

溶接ソリューションの推進

2017年に自動溶接を可能にする造船大組立ロボットシステムの販売を開始した。導入した国内造船メーカーでは、溶接作業時間の約2割削減につながるなど、効率化に大きく貢献した。2017年12月には、コベルコロボットサービス(株)が、三菱重工業(株)の子会社/MHIソリューションテクノロジーズ(株)が扱う小型可搬型溶接ロボット(製品名「石松™」シリーズ)事業を継承し、溶接ソリューション提供の範囲を広げた。また、事業継承と同日付でコベルコロボットサービス(株)は、「コベルコROBOTiX(株)」に社名変更した。さらに2018年4月には、当社の画期的な溶接プロセス「REGARC™」を搭載した「石松™」を開発、7月に販売を開始した。

小型可搬型溶接ロボット石松™シリーズ

組織改編

2020年4月、鉄とアルミ、溶接材料、異材接合技術を有する世界でも唯一のメーカーとして、販売・生産面で最大限のシナジー創出が可能な組織体制を目指し、「素材」(鋼材・アルミ板)と「部品」(自動車用アルミ鋳鍛・押出品、航空機用チタン・アルミ鋳鍛品)を軸に組織改編を行った。「需要分野別戦略」を強化するとともに、共通する要素技術と品質管理等に横串を通し「ものづくり力」の強化を図った。

具体的な内容としては、製品ごとに事業ユニット制(鉄鋼アルミ事業部門4ユニット、素形材事業部門7ユニット)を導入し、競争力と市場変化への対応力の強化を図った。また、自動車向け「薄板」と「アルミ板」の営業と商品技術組織を統合し、両製品を扱う組織とすることで、自動車軽量化戦略への対応を強化した。さらに、ソリューション提案力の向上と「ものづくり力」の強化を目的として、共通機能の人材共有化による業務効率化を推進した。素材における圧延・連続焼鈍技術や部品における鍛造・押出・組立技術等、共通する要素技術や品質管理について、組織横断で連携させるため、ソリューション技術や生産プロセス技術の開発機能を統合・拡充し、技術開発本部に集約した。

2020年4月に実施した素材系事業の組織改編

3本柱の事業成長戦略 機械系事業① エネルギー・インフラ分野への取組み

機械事業

非汎用圧縮機事業については、大型ターボ圧縮機市場への参入に向け、高砂製作所に世界最大級の40MW試運転設備を2017年4月に立ち上げた(投資額約80億円)。非汎用圧縮機は、石油精製・化学プラント等でプロセスガスの圧送や反応用途に幅広く使用されるが、プラントの大型化に伴い、大型機(モータ出力約30~40MW以上)の需要が高まっていた。今回の設備投資により、大型圧縮機の最終性能を自社で確認できる試運転設備を保有することで、大型機市場への本格参入を可能とした。また、2017年2月にフィリピンにアフターサービス等を行う会社/Kobelco Machinery Philippines Inc.を設立、2020年4月には資本参加していた中国の非汎用圧縮機製造合弁会社/無錫圧縮機股份有限公司(第3章参照)を株式の追加取得により子会社化(当社70%)した。これらにより、日・米・中の製造拠点、ドイツ・UAE・ブラジル・フィリピン・シンガポールの販売・サービス拠点の一体運営を強化し、最適生産・販売体制の構築を進めることで、更なる事業拡大を目指した。

汎用圧縮機事業においては、2021年3月に三浦工業(株)との資本業務提携に向けた基本合意書を締結した。当社が製造、コベルコ・コンプレッサ(当社100%子会社。以下、KCC)が販売をそれぞれ手がける汎用圧縮機事業を、会社分割(簡易吸収分割)によりKCCに集約し、製造と販売を統合(2021年7月)したうえで、製販統合後の新KCCに対して、三浦工業(株)から議決権の49%の出資を受け入れるというスキームであった。この提携を通じ、空気と熱を供給する両社がプラットフォーマーとして提携し、技術をかけ合わせたユーティリティ機器を供給することで、お客様の更なる省エネルギー化とCO₂排出量の削減、そしてワンストップサービスの実現を目指した。

水素関連ビジネスについては、来るべき水素社会に向けて、水素ステーション向けユニットの拡販等を図る計画であった。水素は脱炭素・ガソリン代替の重要エネルギーと位置付けられ、当時の経済産業省のロードマップでは2016年時に約80ヵ所だった水素ステーションを、2030年には900ヵ所規模へ拡大する計画が示されていた。この期間においては、当社は2017年2月に米国の定置式水素ステーション向けに「HyAC mini-A」の販売を開始※3するなどの実績を上げた。これは国内メーカーとして初の海外向け水素ステーション用水素圧縮機等の販売であった。

また、2017年4月には、スウェーデンの等方圧加圧装置(Isostatic Press:IP装置)の世界トップメーカー/Quintus Technologies AB(Quintus)の全株式を1億1,500万ドル(当時のレートで約130億円)で取得した。IP装置は、金属やセラミック、カーボン等の素材を等方圧で加圧焼結又は成形する装置。均質性・強度・耐久性等に優れた高品質な製品製造が可能なことから、航空機部品や発電用タービンブレード、半導体関連素材等の高機能製品に幅広く適用されている。Quintusは、欧州・米国で圧倒的なプレゼンスを有しており、日本をはじめアジア市場を中心に展開する当社IP装置事業と合わせ、世界市場がカバー可能となった。

2019年4月にはインドにおいて自動車や建設機械用タイヤ等の製造工程で使用されるタイヤ・ゴム機械(ゴム混練機・ゴム二軸押出機)の製造・設計・販売会社/L&T Kobelco Machinery Pvt. Ltd.を完全子会社化した。自動車の生産増加に伴いタイヤ・ゴム機械の需要が拡大している中、更なる営業力強化や機動的な運営を目的としたもので、インド国内需要の獲得にとどまらず、東南アジアや欧州地域への拡販を図った。

  1. 2014年より国内の定置式水素ステーション向けに、高圧水素圧縮機単体のHyACと、圧縮機に加え主要な付属機器をパッケージ化することでコンパクトにしたHyAC miniの2モデルを販売。2017年時点で国内シェア約30%。

国内企業(京セラ(株))に初納入したQuintus製CIP装置

エンジニアリング事業

MIDREX™プラントを、2016年6月にアルジェリアAlgerian Qatari Steelから、2021年3月にはロシアMikhailovsky HBI LLCから受注した。MIDREX™プロセスによる還元鉄の累計生産量は2018年6月に10億tに達し、2019年には初号機の商業生産開始50周年を迎えた。2018年11月時点で稼働しているMIDREX™プラントは世界で79基、最初の5億t生産には38年かかったが、その後11年で累計10億tを達成した。

2019年4月には、三井物産(株)、東洋エンジニアリング(株)、及び同社インドネシア関係会社/PT. Inti Karya Persada Tehnikとの4社連合で受注したインドネシア初の地下鉄「ジャカルタ都市高速鉄道南北線」(15.7km、13駅)が営業運転を開始した。当社は、システムインテグレーション及び信号・通信設備、自動出改札システム、ホームドア等の設計・供給を行った。鉄道システムの納入は当社初の取組みであったが、国内外のゴムタイヤ式新交通システム向けの自動運転システムで培った知見を最大限活用しながら、厳しい工程に対し、鉄道システムと車両の試運転調整等をスムーズに進め、開業日に間に合わせた。

(株)神鋼環境ソリューションの水処理事業では、2017年10月にカンボジアで日本企業として初めての水道事業参入(工業手工芸省からプノンペン市Koh Dach及びカンダール州Koh Oknha Tei地区の独占水道事業権〈ライセンス期間:20年間〉を取得)を果たした。廃棄物処理事業では、タイにおける産業廃棄物処理発電プラント案件の基本設計業務等を2018年6月に受注した。日本国内では、木質バイオマス発電にも取り組み、2016年4月に(株)福井グリーンパワーの大野発電所を稼働させた。福井県内で発生する間伐材を中心とした木質バイオマス資源の「地産地消」による発電事業であり、林業再生、地域振興、環境負荷低減に貢献している。

インドネシア初の地下鉄「ジャカルタ都市高速鉄道南北線」

3本柱の事業成長戦略 機械系事業② 建設機械事業の収益力強化

建設機械事業の収益力強化では、中国事業の再構築が最重要テーマであった。

中国の建設機械事業は、1994年の国営企業との合弁ショベル製造会社設立から2015年まで営業と経理・財務は中国側パートナー、生産・技術はコベルコ建機(株)がそれぞれ主導してきた。しかし、2010年をピークに中国の建設機械需要は低迷が続いたことに加え、債権回収を優先したため、販売台数は2010年の1万5,000台から2016年には3,300台まで減少した。また、滞留債権も減少しなかったため※4、当社は中国事業で2015年度146億円、2016年度343億円の貸倒引当金を追加計上した。

その後、中国側パートナーと対応を協議して再建策を練ったが、合意に至らず、2017年10月に合弁を解消し、当社主導で中国における事業体制を抜本的に再構築した。従来、生産と販売は別会社であった事業体制を、再構築後は製販一体の事業体とすることで、各々の課題をスムーズに共通認識し、迅速かつ効率的な事業運営を目指した。また、生産・販売・販売代理店網・アフターサービス網の見直し・強化及び債権管理強化を通じて、現地販売ネットワークの強化を図った。これらの取組みにより、中国事業の再構築は完遂した。

また、2016年4月にコベルコ建機(株)とコベルコクレーン(株)が経営統合し、体制・体質を強化したことに伴い、中東・アフリカ、北米、東南アジア、インド、欧州、国内中古車事業と国内外の拠点の再編・統廃合を進めた。

  1. 中国側パートナー主導の営業体制のもと、新車販売とシェア拡大を優先し、中国の商習慣で支払遅延が常態化する中で代理店への与信管理や債権管理、債権回収への取組みが不十分であった。さらに事業環境悪化後も、ショベル販売子会社において、代理店・ユーザーの急激な財務状況の悪化への対応が遅れた。

3本柱の事業成長戦略 電力事業

電力事業では、2016年4月に「電力事業部門」を発足し、真岡発電所プロジェクトの完遂と神戸発電所3・4号機の着実な推進に取り組んだ。

真岡発電所は、東京ガス(株)から都市ガスの供給を受け、最新鋭のガスタービン・コンバインドサイクル(Gas Turbine Combined Cycle:GTCC)方式による国内最高レベルの効率で発電を行う国内初の本格的な内陸型火力発電所であった。発電規模は2基合計で124.8万kWである。2013年3月から2016年5月までの環境アセスメントを終え、同年6月に着工した。その後、2019年10月に1号機が、2020年3月に2号機が営業運転を開始した。また、発電所への理解を深め、より身近に感じていただくことを目的に、2020年9月に真岡発電所見学施設「みらいん(Meline)」を開館した。タブレットを利用した拡張現実(AR)体験型システム等を備え、地域の小中学校の社会科見学等に利用されている。

神戸発電所3・4号機は、神戸製鉄所(現神戸線条工場)第3高炉跡地に微粉炭火力超々臨界圧発電(Ultra Supercritical:USC)の発電所を建設するもので、発電規模は2基合計で130万kWである。2018年6月に環境影響評価手続きが終了、同年8月に神戸市と環境保全協定を再締結した。同月にはプロジェクトファイナンスを組成し、2,400億円程度の資金調達を行い、10月に着工に至った。

また、2016年12月には神戸発電所1・2号機について、現行契約満了後の電力受給契約を関西電力(株)と締結した。

真岡発電所1・2号機(栃木県真岡市)

経営基盤の強化① コーポレートガバナンスの強化

コーポレートガバナンスについては、組織や制度の導入、改訂等が進んだ。

2015年度 「独立社外取締役会議」設置
2016年度 監査等委員会設置会社へ移行、役員報酬制度の見直し(株式型報酬の導入)、役員のトレーニング方針の策定、取締役会実効性評価制度の導入
2018年度 取締役会の在り方の見直し(独立社外取締役比率を3分の1以上に変更、「指名・報酬委員会」を設置、会長職を廃止するとともに独立社外取締役の中から取締役会議長を選出等)
2019年度 女性取締役初登用

また2017年7月には東南アジア・南アジア地域における統括会社として、タイにKobelco South East Asia Ltd.を、2019年7月には欧州・中東統括会社としてドイツにKobelco Europe GmbHを設立(2012年設立のKobelco Machinery Europe GmbHを組織改編、第3章参照)した。これにより、当社は米国、中国、アジア、欧州・中東と、主要地域のガバナンス体制の構築を図った。

事業ポートフォリオの見直しも、以下の表のとおり推進した。中期経営計画ローリング以降は、資本コストを意識した経営資源の効率化と経営基盤の強化に向けてグループ再編に取り組んだ。

2017年4月 神鋼ケアライフ(株)の発行済み株式の66.7%を住友林業(株)に譲渡
2018年4月 神鋼鋼線工業(株)が(株)テザックワイヤロープを吸収合併。それに伴う株式交換により当社が神鋼鋼線工業(株)を子会社化
2018年7月 当社が保有する神鋼不動産(株)の発行済み株式の70%を東京センチュリー(株)に、5%を日本土地建物(株)にそれぞれ譲渡(その後、2022年4月に神鋼不動産(株)はTC神鋼不動産(株)に改称)
2020年4月 コベルコ鋼管(株)の全株式を丸一鋼管(株)に譲渡
2020年4月 鋼製透過型砂防堰堤事業を日鉄建材(株)へ、フレア護岸事業をケイコン(株)へそれぞれ事業譲渡
2020年4月 完全子会社であった神鋼ファブテック(株)を当社が吸収合併

経営基盤の強化② 人材の確保・育成

人材の確保については、以下の施策等を着実に進展させた。

  • 「健康経営銘柄」(2014~2017・2023年度)、「健康経営優良法人(ホワイト500)」(2017・2020・2021・2023・2024年度)の選定に示される心身の健康保持増進
  • 女性採用の更なる拡大や育児休業早期復帰支援、男性社員の育児参画支援等のダイバーシティ推進。こうした取組みが評価され、特に優良な子育てサポート企業として「プラチナくるみん」認定を取得(2019年8月)
  • ベテラン社員のモチベーションの維持・向上、職場一体感の醸成を狙いとした停年退職年齢の65歳への引き上げ(2019年4月決定、2021年度から実施)
  • コロナ禍前からの在宅勤務日制度(テレワーク)推進、本社・支社・支店オフィスにおける服装自由化(2020年9月)等、社員の自主的裁量に任せた職場環境づくり
  • KOBELCOグループ 人権基本方針制定(2019年10月)等による人権意識の周知徹底
  • マネジメント型とプロフェッショナル型の管理職複線型人事処遇制度(2019年度)

人材育成では、OJT(On the Job Training)での教育を基本としつつ、補完するための研修(階層別・職種別)を提供。毎年内容を見直しているほか、コロナ禍対応も含め研修のオンライン化も進めた。2020年度の人事評価制度見直しでは、「KOBELCOの3つの約束」の実践度を評価項目に加え、評価者研修も導入して管理職のフィードバック能力強化を図った。また、品質事案発生を契機として、たこつぼ化是正に向けて2019年1月に事業部門間をはじめとした異分野ローテーションのルールを策定、4月から運用を開始した。

プラチナくるみん認定を取得(2019年8月)

経営基盤の強化③ 技術開発力・ものづくり力の向上

成長戦略を支える技術開発力の向上、及び生産基盤強化とものづくり力の底上げについては、以下を推進する方針とした。

成長戦略を支える技術開発力の向上

事業・収益拡大を支える主力製品の競争力強化のための差別化技術の創出

  • 素材系:自動車材の高強度・高加工性化(超ハイテン、アルミ)
  • 機械系:圧縮機の大型・高圧化、設計基盤技術の強化

自動車、航空機、エネルギー分野でKOBELCOならではの価値を実現する製品・プロセスを創出

  • 独自のアンテナ機能で市場とお客様にアクセス(北米、欧州の情報拠点新設等)
  • グループ内横串連携の強化(本社部門に「輸送機材事業企画室」を設置)
  • お客様との共創、当社技術の融合空間の実現(技術展示室の整備と活用)

生産基盤強化とものづくり力の底上げ

生産基盤強化に貢献する「品質力強化」「現場力強化」活動、及び革新に向けた「データ活用」活動(ICT活用ものづくり)の推進

具体的な活動として、技術開発本部に従来の3つの「要素技術研究所」に加えて、3つの「機能分担センター」を新設した。

  • 2017年4月、素材系のソリューション技術・人材を集約した「自動車ソリューションセンター」を新設した。従来の各素材単体でのソリューション技術に異材接合技術を加えることで、自動車軽量化を中心とした独自の提案力強化を進めた。同時に全社自動車プロジェクト担当役員を配置し、迅速な意思決定体制を構築した。同センターは2020年に「ソリューション技術センター」へ組織改編し、自動車分野にとどまらない幅広い産業向けソリューション創出へと発展している。
  • 2018年10月、「AI推進プロジェクト部」を新設し、AIを活用して熟練者の知見を再現した素材開発や生産効率化のほか、画像認識・データ解析による製品価値向上に取り組んだ。同組織は2021年に「デジタルイノベーション技術センター」に組織改編し、DX推進と人材育成も担っている。
  • 2020年4月、生産現場の課題解決を担う「プロセス技術センター」を新設した。生産現場に密着し、現場では解決しきれない生産プロセスの技術課題に対して、素材、計測、圧延といった複数の要素技術を組み合わせて解決し、経済価値を創出している。

加えて、多様な事業経営の中で長年培ってきた技術資産を整理し、2016年に「21のコア技術」とした。さらにコア技術とお客様の技術や課題とかけ合わせて新たな価値を創出することを目的として2017年5月には神戸総合技術研究所に技術ショールーム「KoCoLab」を、2018年7月には藤沢事業所に「自動車用接合技術ショールーム」を開設し、お客様との共創を推進している。

技術ショールーム「KoCoLab」

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