熱交換器用プレコートアルミフィン材

ルームエアコン、パッケージエアコンや大型冷凍機等に使用される熱交換器には、伝熱性の良さを生かし、アルミ製フィン材が多く使用されています。
神戸製鋼では、フィン材に表面処理を施すことで、さまざまな機能を付与し、熱交換器のあらゆるニーズにお応えしています。

特長

熱交換器に要求されるさまざまな特性にあわせたラインナップをご用意しています。

①親水性

冷房運転時の結露現象によってフィン材表面には水分が付着します。
高い親水性を付与することで、エアコンの熱交換率向上や水飛び現象の抑制に貢献します。

熱交換器に付着した結露水の様子

プレコートフィン(塗装処理あり)
ベアフィン(塗装処理なし)

②耐食性

特に室外で使用される熱交換器は長時間作動させると、水分や浮遊物質の影響でアルミ基板が腐食します。腐食により、アルミが変質・欠損することで熱交換性能が著しく低下します。
耐食性塗膜を処理することで、アルミ基板の腐食を抑制することができます。また、より厳しい環境下である塩害地向けに特化した製品もございます。

塩水噴霧試験1000時間後のフィン材

プレコートフィン(表面処理あり)
ベアフィン(表面処理なし)

③加工性

潤滑性塗膜を処理することで、プレス時の加工性向上やプレス金型の摩耗低減に寄与します。

④開発体制

付加価値の高い製品の開発を目指し、神戸製鋼グループ一丸となって研究開発に取り組んでおります。

製品技術開発では成形加工材料、表面処理材料、評価技術を、生産技術開発では加工制御技術、計測技術を、要素技術開発では材料・表面処理、加工・潤滑・計測、評価(解析、分析)、接合を取り扱っています。
神戸総合技術研究所・コベルコ科研(兵庫県)では高度な材料・評価技術の開発を行っています。真岡製造所/栃木県では製品の規格・設計、塗装・加工技術の開発を行っており、製品の製造拠点となっています。

ラインナップ

皮膜の多層化技術により、親水性や耐食性、加工性を有する各種プレコートアルミフィン材を有しております。
表中以外にも量産中/開発中のラインナップはございます。下記問い合わせ先にご連絡ください。

用途・商品名 室内機 一般仕様 室外機 一般仕様 室外機 高耐食仕様
KS176 KS655 KS101・KS128
皮膜構成
潤滑層→親水層→化成処理層→アルミ基板
潤滑層→シリカ系親水層→化成処理層→アルミ基板
親水層→耐食層(着色可能)→化成処理層→アルミ基板
特徴 低臭気性、かつ良好なフィン加工性 高親水性を長時間維持 塩害地で採用実績多数、耐食性に優れる
親水性
臭気抑制
加工性
(潤滑性)
耐食性

表面処理技術

神戸製鋼では、化成処理と塗装皮膜の複層化技術を有しております。
このような塗装技術にて、フィン材の多機能化のご要望にお応えしています。

複層化による高機能化技術とは

潤滑皮膜→親水皮膜→耐食皮膜→化成処理皮膜→アルミ基板

数μmの薄さの皮膜を重ね合わせます。
親水性や耐食性など、様々な性能を両立させた材料開発が可能となります。

実用化例-1 <自浄性フィン>

特殊皮膜により、付着した汚れ成分を結露水で洗い流し、綺麗な塗装表面を維持します。

特殊な機能を付与した皮膜に汚れ成分が付着し、ドレン水を利用して汚れ成分を浮かせて除去

実用化例-2 <防汚性フィン>

特殊皮膜により、ほこり成分の付着を抑制し、綺麗な塗装表面を維持します。

特殊皮膜を処理したプレコートフィン
通常のプレコートフィン
  • ほこり成分は関東ローム(JIS試験用粉体1の11種)を使用。

アルミ素材について

神戸製鋼では、当社開発の優れたプレス加工性を有した高成形性素材をはじめとした各種素材を取り揃えており、フィン材の各成形方式に適したアルミ素材(材質、調質)をご提案いたします。

①1J70

優れたプレス加工性を有しており、薄肉化によるコストダウン、熱交換性能やハンドリング性の向上も期待できます。

②1200

純度が99.0%以上の一般的な純アルミニウム。

製造可能寸法(mm)
板厚:0.08~0.2
板幅:~1600

  • 上記以外の寸法はお問い合わせください。

熱交換器用プレコートアルミフィン材のお問い合わせ・販売について

基本的には取扱い商社を通じての販売となります。日本国内だけでなく、中国、東南アジア、欧州等へも販売しております。
取扱い商社や製品についてのお問い合わせは、以下までお願いいたします。

お問い合わせ

電話・フォームでのお問い合わせを受け付けております。まずはお気軽にご相談ください。