神戸製鋼の鋳鍛鋼/鉄粉とは
神戸製鋼の鋳鍛鋼

鉄(鉄鋼)は、鉄と炭素を主成分とする合金で、自動車、建設、造船、家電など、さまざまな分野で必要不可欠な素材です。中でも、鋳鍛鋼事業における造船向けでは、船舶の船体や構造部品は、主に鉄鋼で作られており、その強度と耐久性が船の安全性と長寿命を保証します。また、船舶用エンジンや推進器などの重要な部品も鉄鋼製であり、これらの部品の性能が船の運航効率に直結します。
神戸製鋼の鉄粉

鉄とは
「鉄」は原子番号26の金属で、人々の生活を支える身近な材料ですが、私たちが普段目にする、一般的に鉄と呼ばれる金属は「鋼」です。鋼は鉄に炭素を加えた合金であり、通常0.02~2%程度添加されています。炭素などの微量成分が加わる事で、私たちが良く知る、強く硬い金属になります。一方、「鉄」とは炭素などの微量成分を含まない純粋な鉄のことを言います。純鉄は、反応性に富み(錆びやすい)、加工性に優れます(比較的柔らかい)。
鉄粉ユニットでは、主に粉末冶金プロセスによって製造される自動車、産業機械、家電部品の原料となる平均粒径約70μmの工業用純鉄粉を製造・販売しています。粉末冶金では原料粉を金型成形後、焼結して部品を製造します。そのため、金型成形時には加工しやすい純鉄粉と炭素源となる黒鉛粉を混合したものが用いられ、焼結時に炭素を鉄に拡散させて鋼として強く硬い部品としています。純鉄粉以外にも鋼の強化元素となるNiやMoを数%含んだ鉄合金粉も製造しています。
また、純鉄粉は反応性に富むため、焼結部品以外にも、使い捨てカイロ、脱酸素剤、化学反応、環境浄化(VOC分解、重金属吸着)などの用途にも使用されています。
他に、金属射出成形法用※の平均粒径約10μmの合金微粉(ステンレス、工具鋼など)も製造しています。
- ※金属射出成形法:金属の微粉末とバインダーの混合物を金型に射出成形し、成形品を、脱脂・焼結して金属製品を製造する方法で、高密度で複雑な部品の製造が可能。